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【神戸市職員】デザイン・クリエイティブ枠採用ってなんだ?

きょう10月20日、久元喜造市長とデザイン・クリエイティブ枠職員との意見交換会をおこないました。

デザイン・クリエイティブ枠職員ってなに?

神戸市は2020年度から、デザイン、美術、音楽、映像などを学んだ人を対象に「デザイン・クリエイティブ枠」の職員採用を始めました。

とはいえ、デザインや音楽の専門職ではありません。採用後は総合事務職の職員と同じように、区役所をはじめ、あらゆる職場で働いています。

配属される職場によっては専門性が生かせないかもしれないのに、なぜあえてクリエイティブ人材を採用するのでしょうか? そこには「人材を多様化させたい」という久元市長の強い思いがあります。

きょうの意見交換会でも「人間の価値観や発想は、受けた教育によって規定されがちです。そして役所に入ってくる人の“出身学部”は、だいたい決まっています」と久元市長。

なるほど、(職員で)大多数を占めるタイプの人とは、違う発想ができる人にも入ってきてほしい狙いがあるんですね。

市長とのトークは緊張したけど…

意見交換会に参加したのは、育休中の職員を除いた11人。2020年度から始まった採用枠なので、最も職歴が長い人でも3年目です。

彼らが学んできたのはデザインや美術、音楽や映像ですが、現在の職場は区役所や港湾局、水道局などさまざまです。

まだまだ若手の職員ばかりなので、始まる前はみんな緊張していました。中には「生の市長を見るのは今日が初めて」という職員も(笑)。

参加者は各自の専門や、今の仕事を説明する中で

「デザインの勉強をするうちに、自分自身で作るよりも、デザインと人をつなぐほうが向いていると気づいた。デザイナーではない働き方を模索していたとき、この採用枠を知った」

という声があり、これまで神戸に縁がなかったのにデザイン・クリエイティブ枠をきっかけに神戸に移住してきた職員が複数人いたことに驚きました。

すごい、若者の流入に貢献しているじゃないですか……!

バイオリン演奏を専攻していた区役所の職員は「地域で音楽活動をしている人の気持ちがわかる」と言っていましたし、

ピアノ演奏を専攻していた職員は、クラシック音楽が好きな久元市長とマニアックな作曲家の話で盛り上がるなど、最初は堅かった若手職員も、少しずつ緊張がやわらいできたようでした。

一方で、周りから「一芸入庁」と言われて葛藤を感じるという声も。受け入れる職場が不慣れな場合もあるようですが、まだ3年目ですから、これから徐々に浸透していけばいいなと感じました。

最後に久元市長は「学んできたことが直接生かせることばかりではないかもしれませんが、その発想を生かして、広い意味での(市役所の)デザイン力向上に貢献してください」と話しました。

実は、広報戦略部にも

まだ全庁で12人というデザイン・クリエイティブ枠職員ですが、実は、このnoteを運営する広報戦略部にも1人在籍しています。

私はふだん民間のライターで、9月からこのnoteプロジェクトをお手伝いしているのですが、市役所に関わる前から、神戸市広報のTwitterを見て

「役所らしからぬ、センスのいい投稿だなぁ」と感じることがありました。

そして広報戦略部に関わるようになって、この投稿はデザイン・クリエイティブ枠の職員によるものだったと発覚。「やっぱり~!」と納得しました。

(*神戸市広報のTwitterは、この職員だけでなく複数の担当者で運営しています)

あと10年経って、今のデザイン・クリエイティブ枠の職員が業務の中核を担うようになり、同枠の職員も増えてくると、どんな市役所になっているでしょうか。

ちょっぴり、ワクワクした気持ちになった一日でした。

<この記事を書いた人>
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。