産業展示会・特別講演で「水素」をテーマに市長が県知事と議論!
きょうは、ポートアイランドにある神戸国際展示場で行われた「国際フロンティア産業メッセ2022」でのパネルディスカッションに、久元喜造市長が兵庫県の齋藤元彦知事とともに登壇しました。
いま脱炭素が世界の注目を集めています。そのなかでも「水素エネルギー」が今回のテーマでした。新産業創造機構(NIRO)理事長の牧村 実さん(川崎重工業株式会社 顧問)が進行役で、兵庫県と神戸市のトップ二人が熱く議論しました。
水素エネルギーでは、神戸を舞台に太平洋を縦断する壮大な実証事業がはじまっています。オーストラリアで、これまで使われていなかった品質の低い石炭、褐炭(かったん)から水素を取り出して、マイナス253度の液化水素の状態にして日本まで専用船で運ぶというものです。川崎重工業や岩谷産業などがつくる「HySTRA(ハイストラ)」という組織が事業を進めています。
今年2月には、液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」(貯蔵タンク容量:1,250㎥)が、オーストラリアから神戸まで初めて水素を運びました。このような大量の液化水素が運ばれるのは世界でもこれまでにありません。運ばれた水素は、神戸空港島にある特殊な荷揚げ装置を使って日本最大規模の液化水素貯蔵タンク(直径19m、容量2,500㎥)に詰め替えられました。
じつはこの事業は、久元市長が就任まもない2014年3月に総理大臣官邸で開かれた経協インフラ戦略会議に出席したときに提案したアイデアがもとになっています。
きょうのパネルディスカッションでは、久元市長はこの事業を中心に神戸市が進める水素関連事業の現状と今後の計画について説明。一方で、齋藤知事は播磨臨海地域での関連産業集積に伴うポテンシャル、関西電力が水素を使った発電を検討していること、さらに淡路島での水素製造などを紹介しました。
最後に、久元市長は「水素エネルギーの活用は、カーボンニュートラル(脱炭素)の実現していく上での一つの手法である。神戸市では、これ以外では海中の海藻や海洋生物によって吸収された二酸化炭素(CO2)である「ブルーカーボン」の取り組みを神戸空港島などでも進めている。これらを市民や関係事業者のみなさんにしっかり理解してもらいながらやることに注力したい」と議論の最後に話をしました。
「国際フロンティア産業メッセ」は、毎年開催されている先端技術を紹介する西日本最大級の産業展示会です。展示だけでなく、講演や交流会などが行われました。今年は、「第1回ドローンサミット」が新たに開催されています。