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神戸にできた「医療産業」の街 なぜそんなに企業が集まった?

神戸市公式note

神戸にある人工島・ポートアイランドには、「神戸医療産業都市」と呼ばれる近未来のたたずまいを持つ街があるのを知っていますか?

わずか半径2キロメートルの狭い場所に、350を超える研究機関、病院、企業があり、12,000人以上の人が働いています。国内最大クラスのライフサイエンス(健康科学)の拠点として、海外でも知られるようになりました。

じつはこの街は、昔からあったわけではありません。30年ほど前には、海を埋め立てたばかりで、赤茶けた土に覆われ道路すらなかったのです。

この記事は、なかの人「日替わりメガネ」が書いています。神戸をもっと元気にしたいと願いながら、全国各地の企業や研究機関を毎日のように訪れて、この医療産業都市の魅力を届ける仕事をしています。

阪神・淡路大震災の復興事業

1995年の阪神・淡路大震災で、長いあいだ神戸の経済を支えてきた造船や鉄鋼といった重厚長大産業が大きな被害をうけました。そこからの立て直しをはかろうと「神戸医療産業都市構想」という大規模なプロジェクトがはじまったのです。大震災から3年後のことでした。

そこにいま、理学研究所などの研究機関、専門性の高い数々の病院だけでなく、スパコン・富岳まであるのです。

1998年頃との比較

この街が選ばれる本当の理由

ここには欧州の製薬会社のような巨大企業からスタートアップ企業まで、大小さまざまな企業が拠点を置くようになりました。
では、そんな企業たちは、国内だけでなく世界各地のなかから、どうして神戸のこの人工島を選んでいるのでしょうか? 

たしかに、神戸の中心地である三宮や神戸空港からのアクセスの良さは自慢できるでしょう。ここに進出したときにもらえる補助金も大きいですね。

ですが、ここで仕事をしてきた私は、その謎を解くカギを見つけました。

それは、「コーディネーター」と呼ばれる、さまざまな分野の専門家たちの存在です。

コーディネーターは何をする人

医療機器や薬を開発するのは、とても難しいのです。というのは、研究室やラボでつくったものを、いきなり病院で患者に使うわけにいきません。なぜなら、安全なのか、効き目はあるのか、をしっかり点検しなければならないからです。

ところがこの分野は、新しい製品が次々にでてくる世界的な競争のなかにあります。なので、回り道をせずに最短コースで研究や開発をして、ライバルより早く完成品を医療現場に投入できるのかが大事です。それが勝敗を決することになるのです。

それを水先案内人として導いてくれるのが「コーディネーター」です。

あるときは、共同研究をして論文発表してくれる大学などの専門家を見つけてきたり、試作品を製品にする生産現場や販売ルートを持っている会社を紹介したりします。

さらに、現場で効果を確かめるために協力してくれる病院などを紹介し、医薬品や医療機器を製品にするときにいる薬事法上の手続をサポートすることもあります。

こんなことが無料で相談できるのです。いまは20人ほどが活動しており、まさに「縁の下の力持ち」ですね。

面談をするコーディネーター

どんどん生まれる成功事例

うまくいった事例として、手術支援ロボット「hinotori™」があります。手術に求められる医師の微細な動きをロボットが再現します。川崎重工とシスメックスが設立したメディカロイドが開発しました。いま国内の大学病院で次々といろんな手術に成功したとニュースになっています。

hinotori™サージカルロボットシステム

プラスチックの総合商社で、医療機器を開発したことがなかった会社が、抗がん剤を患者に点滴するときに使うチューブのような器具を開発しました。神戸市立中央市民病院の現場がかかえていた、輸液をけっしてもらすことがないものがほしいというニーズから生まれたものです。

抗がん剤の輸液を漏らさない

これまでに56件の医療機器を含めた数々の研究成果や製品が世に送り出されました。こちらのサイトからそれぞれの事例をみることができます。

研究成果や開発の一部

すべては私たちの健康のために

今回は「コーディネーター」の活動をご紹介しました。ですが、医療産業都市では、国内だけでなく世界の人々の健康づくりに役立つ街になろうと、ここに進出する企業への手厚いサポートがあります。さらに誰でも参加できるイベントもやっています。

このポートアイランドは、1981年に完成したとき、人口島として世界一の大きさを誇っていました。
なので、この「医療産業都市」が、世界一と呼ばれる日がきっとくる。そう信じながら、日々の仕事にはげんでいきたいと思います。

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