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【王子公園再整備】意見をお聞かせください

「王子公園」の再整備に向けて、神戸市の方針についての意見募集(パブリックコメント)をおこなっています。

たくさんの方に意見をお寄せいただきたいので、広報戦略部ライターのゴウが、再整備のポイントとこれまでの経緯を簡単に説明します。

(この記事ですべてをお伝えすることはできないので、詳細は以下のページをご覧ください)

王子公園ってどんな公園?

王子公園(おうじこうえん)は神戸市灘区にある都市公園です。パンダやコアラのいる王子動物園や、アメフトやラグビーができる王子スタジアム、テニスコートなどのスポーツ施設があります。

動物園の人気者、メスのアジアゾウ「ズゼ」

古くは「原田の森」と呼ばれ、親しまれていました。関西学院大学の発祥の地でもあります。

神戸の中心部・三宮から東へ約3kmに位置し、阪急王子公園駅からすぐ、JR灘駅からも徒歩5分ほどと、アクセスは抜群。周囲には美術館や海星女子学院などがある、文教エリアです。

ただ王子動物園ができてから70年以上、スポーツ施設ができてから60年以上経ち、施設の老朽化が目立ってきました。そのため、再整備に着手することになったのです。

再整備で何がどう変わるの?

今回の再整備で、具体的に何がどんなふうに変わるのでしょうか。

〔現在の王子公園〕
青いゾーンが動物園、オレンジがスポーツ施設、緑が園地・園路、グレーが駐車場です。

施設が古くなっていることだけでなく、以下のような課題もあります。

  • 総合公園なのに、利用者や利用期間が限定される施設が多い。一般開放されているエリア(緑ゾーン)が点在しているうえに、少ない

  • 駅に近い南東部や南北通路が駐車場になっていて、アクセスの良い文教エリアのポテンシャルを生かしきれていない

そこで、

  • スポーツ施設を公園北側へ集約

  • 駐車場は立体化し、駐車場への進入路と歩行者空間を整備

  • 今は駅前にある平面駐車場を、「緑の広場」として一般開放される空間に

という案を考えました。

〔再整備案〕

再整備案には、新たにピンク色の「大学ゾーン」があります。これについては後述します。

・新たな「原田の森」の創造
・学術・文化拠点のシンボル創出
・王子動物園の魅力向上
ーー動物福祉に配慮した展示方法でリニューアル
・公園とスポーツ施設のリノベーションと魅力向上ーー桜の名所でもある公園の自然環境を保全し、スポーツ施設も含めて市民が憩いやすい空間にする
・広域防災拠点としての機能強化

上記の「5つの基本目標」をもとに、具体的には以下のような変化があります。

〔新設〕
大学(誘致予定)、緑の広場

〔再整備・存続〕
動物園(遊園地も含む)、駐車場、スタジアム(フィールド・トラック)、テニスコート(公園内に2面整備)、ちびっこ広場、わんぱく広場、登山研修所

〔代替〕
テニスコート(公園外に6面新設)

〔機能確保〕
補助競技場、プール(幼児用)

〔廃止(園外施設の充実)〕
プール(50・25m)

〔廃止(市内施設の活用)〕
相撲場

〔存続〕
体育館、弓道場、旧ハンター住宅、神戸文学館、原田児童館

なぜ、大学を誘致するの?

日本の多くのまちがそうであるように、神戸市も人口減少に直面しています。まちが持続的に発展するには、若い人の定住や交流人口の増加が大切です。

そのため今回の再整備を機に、阪神間にあり、交通アクセスもよい王子公園エリアに大学を誘致しようというのです。

「これから子どもが減るのに、大学をつくってどうするの?」という声があるのは事実ですし、私も初めはそう思いました。

ただ、京都市や大阪市では直近10年の学生数は増えており(神戸市は減っています)、都心回帰の傾向があることがうかがえます。

そこで神戸市は、都心エリアである王子公園に大学を誘致することで、若い人や交流人口が増え、地域のにぎわいが増すと見込んでいるのです。

また、社会の変化するスピードが速くなるこれからの時代は「大人の学び直し」が必要になってきます。

働く場所からアクセスしやすい王子公園エリアに大学ができることで、社会人向け講座など、学生だけでなく地域住民の「学び」にも寄与すると予測されます。

再整備に関するこれまでの経緯

再整備について、市民の皆さんから意見を募集するのは今回が2回目です。再整備を発表してからこれまでの経緯を、時系列でおさらいしましょう。

2021年1月 市長会見で再整備を発表 

2021年12月 王子公園再整備基本方針(素案)を発表

このときの素案には、動物園内の遊園地を廃止し、そこに立体駐車場を配置することが盛り込まれていました。

2021年12月~2022年1月 素案に対する意見募集(1回目のパブリックコメント)

動物や景観などへの影響を懸念する声、既存施設の存続を望む声など、さまざまな観点から多くの意見が寄せられました。

2022年6月 基本方針(素案)の見直しに向け「市の考え方と方向性」を公表

寄せられた意見をふまえて「遊園地は存続」「駐車場は動物園の敷地外へ」など、新たな方向性を発表。

2022年6月末~8月末 市民との意見交換会

公表した方向性をもとに、地域団体、一般公募、ネットモニター、子育て世代、高校生と、計11回の意見交換会を開催しました。

2022年9月 修正した基本方針(素案)を発表

意見交換会で寄せられた「動物福祉を考慮した展示」「駐車場には壁面緑化などで六甲山系の景観に配慮」などの意見を盛り込み、内容を充実させました。

9月27日~10月26日 素案に対する意見募集(2回目のパブリックコメント)

★イマココ!!★

これからの予定

下の図は、再整備の今後のスケジュールです。

今回のパブリックコメントを経て「基本方針」を策定し、次の段階として「基本計画」の検討に入ります。今後は、

  • 基本計画(素案)をつくるとき

  • 基本計画(素案)から基本計画を策定するとき

の2段階で、市民の皆さんから意見を聞く機会を設けるんですね!
“ふだんは一般市民”な私は正直、「アリバイ的に1回聞いたら終わり」だと思ってました……すみません(汗)。

せっかくこれだけの機会があるなら、生かしていきたいですね。

幅広い世代からの意見をお待ちしています

王子公園の再整備について、皆さんが思っていることをぜひお寄せください。「ちゃんとした文章を書かなきゃ」と構えなくても、ひと言、ふた言でも大丈夫です。

動物園やスポーツ施設があるので、お子さんや若い人の利用がとても多い王子公園ですが、こうした意見募集ではどうしても「大人の意見」が多くなりがちです。

年齢の下限はありませんので「もっとこうだったらいいのにな」と思うことが一つでもあれば、ぜひ教えていただきたいです。

下のページの「意見送信フォーム」から簡単に回答できますし、郵送やメール、ファックス、持参も受け付けています(宛先もページ内に)。


締め切りは10月26日
です。たくさんのご意見をお待ちしています!!

<この記事を書いた人>
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。