変わると変わらないが入り混じる わたしが育った「垂水」の街
神戸市の西の端にある垂水区。
わたしはここで生まれ育った。
阪神・淡路大震災の後のかすかな記憶。
向かいの淡路島へ伸びていく大きな吊り橋。
それを見届けるための宇宙船みたいな観光タワー(今はもうない)。
謎の人物が眠る前方後円墳に、閉ざされた洋館。
磯風が吹き付ける漁港と、身動きが取れないほど賑わう市場。
丘の上に唐突に現れる巨大な迷路(これももうない)。
「ただの住宅地」「よくあるニュータウン」にはないダイナミックさが垂水にはあった。
でもそれは昔の話。
90年代の頃