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農村の荒廃しがちな古民家に息吹を! カフェやシェアハウスに

海と山にかこまれた街、神戸。北野異人館や神戸ルミナリエ、1000 万ドルの夜景に神戸ビーフ、おいしいスイーツがある港町です。

ところが、六甲山の北には田園や農村がある里山エリアが広がっているのです!

子どもがまだ小さかったときには、イチゴ狩り、ぶどう狩り、芋ほりにいったり、農村里山エリアをドライブしたことがあります。ですが、神戸出身の私ですら、その辺りまで神戸市だとは認識していませんでした。

街の中心地である三宮から、車や電車で 30 分も移動すると、圧倒的に山と農村! 意外な神戸の顔をお伝えします。

移住=憧れの田舎暮らし

そんな里山エリアで、は古民家を再生させたカフェやレストランがどんどん増えています。というのは、新たな働き方や自然豊かな生活を求めて移住を希望した人たちが、古民家カフェや農家民泊をはじめることが多いからです。

元プロ野球選手から農家に転身した稲垣将幸さん。地元でとれた有機野菜をふんだんに使用したランチも楽しめるカフェ「C-fame café」 をオープンしたのは、2022年秋のこと。

野球選手を引退したあと「好きなこと、自分にしかできないことをやりなさい」と父親から言われていたことを思い出し、いろんな仕事をしてみたのですが、どうやら「農業」にたどり着いたようです。

といっても農業のやり方が分りません。そこで、「神戸農村スタートアッププログラム」という農業の始め方を学べる研修に参加しました。

じつは今でも農村にカフェを開業するには、地域の人たちの理解と承諾を得る必要があるのです。というのは、農村のほとんどが市街化調整区域と呼ばれるエリアになり、自然を守るために店舗などの出店が法律で制限されています。地元自治会などのOKなど条件をクリアすれば、晴れてオープンできます。

稲垣さんがカフェをつくろうと考えたのは、まさしくその区域だったのです。そこで彼は、自治会役員の前で何度も説明。すると、だんだんと相互の理解が進んで、ついにカフェをオープンさせることができました。

これからはこのカフェを、農業をキーワードに人が集まる場所にしていきたいと抱負を語っています。

古民家に住んでシェアハウスに

幸福度ランキング1位で知られる太平洋にある島国のフィジーで、林 一平さんと城戸和美さんは出会いました。二人は結婚すると2020年に農村に移住。なんと、自分たちが暮らしている自宅の一部の部屋を、シェアハウスとして貸し出しています。

貸し出している部屋の大きさは4畳半から6畳くらいで、月額の料金は5万7千円から7万2千円(水道光熱費を含む)。さらに月に2万7千円を支払えば、食事もついているようです。

​​こんなふうに、自分たちが住んでいる家の一部を他の人に開放することを、林さんたちは「住びらき」と呼んでいます。そして、お二人が出会ったフィジーでは、分かち合うことを「ケレケレ」というらしいのです。なので、このシェアハウスを「住みびらきのお家ケレケレ」と名付けたと話していました。

古民家改修にはいくらかかる?

ところが、こんなふうに古民家を購入して改修工事をする。もしカフェや店舗をするのであれば店舗の設備や内装工事をやらなければいけません。

とくに古民家だと、基礎の補強、水回りや内装の交換、耐震・断熱工事や間取りの変更などの大規模な工事になることが多く、1500万円くらいかかるケースはざらにあるようです。

これが大きなハードルです。移住したくても、先立つものがないという理由であきらめてしまう人もいます。

救世主の救世主を求む!

ですが、古民家はほっておくと、ボロボロの空き家になって、やがては朽ち果ててしまいます。いまうまく改修すれば使い続ければ、貴重な資産に代わるのです。

そうなると、住む人が増えて、街からお客さんも足を運んでくれます。稲垣さんや林さんたちは、里山にとって「救世主」だと思います。

なので、神戸市としても全力で応援したい気持ちはあるのですが、個人の住宅の改修費用を神戸市が丸抱えする訳にはいきません。

そこで、改修費用の一部にあてるために、ふるさと納税での寄付を募っています。

言ってみれば、里山を助ける「救世主」の「救世主」になりませんか? というお誘いです。

きっと1年後には、あなたが寄付したお金で、おしゃれなカフェに生まれかわった古民家で、コーヒーを飲みながらベーグルを食べる。そんな未来を思い浮かべるも楽しみですね。

<この記事を書いた人>
にこにこめがね/経済観光局農政計画課
神戸生まれ、神戸育ち。農政計画課が12か所目の職場。
神社好き。特に地元神戸の神社には特別な愛着があり、歴史や文化に深い関心を寄せている。
都会的な神戸も原風景残る神戸も好き。自然豊かな神戸の里山を散策することで心のリフレッシュを図っている。神戸の多様な顔を愛してやまない。

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