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神戸・玉津の旧西区役所、移転後の跡地はどうなった?

今から2年ちょっと前の2022年2月。西区役所が、玉津町から西神中央駅前に移転しました。

中央区役所のように同じ三宮エリア内での移転とは違って、直線距離でも5km以上ある場所への移転は、かなり大きな変化です。

西神中央の新しい区役所の話題は、近隣にオープンした「なでしこ芸術文化センター」や「こべっこあそびひろば」とともに、何かと見聞きすることが多かったと思います。

じゃあ、玉津の旧区役所はどうなっちゃったの?

今日は、その素朴な疑問に広報戦略部ライターのゴウがお答えします。


半分が「市民が使えるスペース」に

先に正解を言えば、建物はそのままで「玉津支所」となりました。引き続き、ある程度の行政手続きはここで済ませることができます。

とはいえ、区役所としての機能が移ったので、スペースに空きができました。施設自体が古くなっていたこともあり、移転を機に大規模な改修工事をおこない、6月16日にリニューアルオープンしました!

こちらが、新しい玉津庁舎(玉津支所の建物をこう呼びます)のフロア分けです。

めちゃくちゃざっくり言うと、
【まじめ系】2・3階――行政機能と、福祉系事業者の事務所
【やわらか系】1・4階――市民が使えるスペース「玉津のつどい場」

という感じ。半分が市民のためのスペースになったって、すごくないですか!? この日はオープン記念として、1階・4階で地域のみなさんが出店したフェスティバルが開かれました。

■キッチンスペース
1階にはレンタルキッチンのスペースがあります。

「いつかカフェを開いてみたいけど、いきなり物件を借りる前にちょっと試してみたい」など、地域や個人のチャレンジを応援します。

出店がないときにも、机と椅子やコーヒーマシーンがあるので、ほっと一息できます。

この日は地元漁協が出店。ハモフライをいただきました(1日のみの出店です)

■キッズスペース
同じく1階にはキッズスペースも。今日はイベントだったので、子育てグループによる絵本の読み聞かせがありました。

■学びのスペース・ライブラリー
4階には仕切りのついた自習スペースが。これは助かります。

そして同じフロアには、地域住民から希望の多かった図書室も。本はほとんど、みなさんからの寄贈で集まりました。今はまだその場での閲覧のみですが、ゆくゆくは貸し出しもしていきたいそうです。

子ども向けの絵本から
大人がうれしい小説まで。実用書もあります

1・4階の「玉津のつどい場」は、神戸市の委託を受けたコープこうべが運営します。

単なる「場所貸し」ではなくて、地域で活動する団体や、これから活動したい人の相談に乗ったりマッチングしたりする役目を担っています。1階の「地域活動カウンター」を気軽に訪ねてみてくださいね。

1階キッチンスペースの裏手にあります

玉津のつどい場の公式サイトがあるので、どんなイベントが開催されるか知りたい方は、こちらをご覧ください。

スペースを利用したい方は、こちらから申し込むか、電話番号078-929-1700にお問い合わせください。

なんと!月~金だけでなく土曜日も開いていて、受付時間も9時~20時45分まで。お仕事が終わった後にも問い合わせできるのがうれしいですね。

最初に区役所を玉津に置いたのはなぜ?

今回の取材準備を進めているうちに、そもそもなぜ、西区役所を最初から西神中央に置かずに玉津に作ったんだろう?と疑問が湧いてきました。

西区の歴史を調べると、その背景が見えてきます。

神戸市にある9つの区のうち最後に生まれたのが西区で、1982(昭和57)年に垂水区から分区しました。

その時点で、西神中央は「まちびらき」はしたものの、まだ市営地下鉄が通っていなかったんです。西区が誕生した1982年に地下鉄の名谷~西神中央の工事を始め、全線開通したのは1987年

つまり、西区でニュータウンと呼ばれた西神中央・学園都市・西神南エリアに人口が増えたのは、西区が生まれた後なんです。

こうした事実から、国道175号線に面していてJRの新快速が通る明石駅に出やすい玉津が、当時はもっとも「西区で開けた場所」だったんじゃないかと推察できます。

そう考えると、玉津近隣にお住まいの方には、区役所が移転してさみしい気持ちや「不便になる」という思いもあったかもしれません。

さきほど、玉津支所で引き続きある程度の行政手続きができると書きましたが、こちらのページに「玉津支所でできること」がまとまっています。

でも市民目線で考えると、今まで玉津でできていたのに、行って初めて「できません」と言われるほうが、ダメージ大きいですよね。

ということで私、玉津支所の職員がオープンの準備に追われる中、「できないことを一覧にしてください!」と無理を言ってみました。

①継続的に相談・支援が必要なもの
 (例)生活保護ケースワークなど
②受付時に詳細な聞き取りや調査が必要なもの
 (例)母子保健相談など
③おもに事業者を対象したもの
 (例)自動車臨時運行許可・住居表示など
④その他
 (例)時間外の戸籍届出(婚姻届を夜に出すなど)

これ以外でも、聞き取りを進めると「これは区役所(西神中央)じゃないと……」というケースもあり得るので、心配な場合は電話で問い合わせてみてください、とのことです。

TEL:078-965-6400(代)
取扱日時:月~金曜の8時45分~17時15分

とはいえ、以前に比べてかなりの行政手続きがネット上でできるようになりましたので、まずは神戸市スマート申請システム「e-KOBE」を確認してみてくださいね。

みんながチャレンジできる舞台へ

今日のオープニング記念式典とフェスティバルには、スタッフも驚くくらいたくさんの人が訪れました。

久元喜造市長は「区役所の移転は、そう簡単にできるものではありません。それができたのは、玉津地域のみなさんに理解をしていただいたおかげです」と感謝を述べました。

以前は駐車場だった庁舎の正面右手は、人工芝を敷きつめ小さなステージに。地元団体の演奏やダンスなど、ちょっとした発表の場として、これからたくさん使われそうです。

今までザ・役所だったこの場所が、今後は地域のみなさんの「やってみたい!」を受け止め、実現するための場所になりそうですね!

<この記事を書いた人>
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。
旅とバーとパンダが好き。

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