日本酒にはスイーツが合う!? まさかのペアリングを神戸市が提案
日ごとに暖かくなり、桜の季節ですね。桜といえば、やっぱり花見!というそんなあなたに、お洒落で神戸らしい提案をさせてください。
今年は、桜の下で灘の酒とスイーツを楽しむのはいかがでしょうか?
灘の酒と神戸の洋菓子
日本酒と洋菓子といわれると、何か相いれない雰囲気があります。でもこの二つは神戸の歴史からみるとつながっているのです。
天賦の自然に育まれた日本酒
六甲の山々から流れ込む良質な湧き水と、すぐ近くの農村でとれる酒米の王様・山田錦という、至極の絶品から「灘の酒」はつくられます。
急流な河川を生かした水車を使って精米をして、阪神タイガースの応援歌でも知られる六甲山から吹きおろす強い北風「六甲おろし」が蒸したばかりの米を冷やす。
神戸から西宮にかけた「灘五郷」と呼ばれる地域には、このように酒造りにうってつけの自然環境がありました。江戸時代には、遠く離れた江戸で飲まれるお酒の8割が灘の酒だったといわれるほどです。
今でも全国の日本酒の流通量トップで約3割を占めているのは、京都の伏見でも新潟でもなく、この灘の酒なのです。
休日ともなると、作り立てのお酒や非売品の原酒が楽しめ、資料館で歴史を学べる酒蔵めぐりは、たくさんの人でにぎわっています。
神戸といえば、スイーツの街
神戸に住む人たちは、好きなケーキ屋さんは?と聞かれたら、何軒かが頭に思い浮かんで、つい自慢したくなります。
ショートケーキはあそこ、タルトはあっち、でもアップルパイになるとこの店!!
全国の人たちがイメージするとおり、神戸にはおいしい洋菓子屋さんがたくさんあります。でもそうなったのは、はっきりとした理由があるのです。それを探るには、神戸港が開港した明治維新の1868年にまでさかのぼります。
開港のあと、外国人特権が認められた居留地で働くビジネスマンや造船所に勤務する技師たちが欧米から移り住んできました。さらに、海外からやってきた船の乗組員たちで、神戸の街がにぎわっていました。
そんな人たちが洋菓子やパンを好んで食べるので、欧米から菓子やパン職人が神戸に移住してお店を開きます。そうやってもたらされた高い技術がやがて日本人の職人へと伝わりました。
こうやって生まれた神戸のスイーツは、全国に知られるようになり、現在も多くのパティスリーが切磋琢磨している街です。
そう、日本酒と洋菓子、どちらも神戸だけが持っていたほかに例がない歴史と自然から生まれた存在なんです。
届け!日本酒女子の思い
でも、日本酒といえば昔から「お父さんのお酒」というイメージがあり、どう考えてもスイーツが大好きな若い女性には結びつきそうにありません。
じつは私は、神戸市役所で神戸の地場産業をかげで支える仕事をやってきました。その守備範囲はなんと日本酒とスイーツです。
そんな私が発見したのは、女性にも飲みやすくておいしいお酒がたくさんあることです!!
そこで考えました。ウィスキーにチョコレート、ワインにドライフルーツ、じゃあ日本酒にもきっとすごく合う洋菓子があるんじゃないか! それを灘の酒と組み合わせて新しい楽しみ方を提案しよう!
ところが私は日本酒が大好きすぎて、何を飲んでもおいしく感じてしまうので、私が選ぶのはムリ….です。そこで、料理家のワタナベマキさんにお願いして選んでもらいました。
選んでいただいた組み合わせは次の3つ。
さっそく試してみてビックリ!先にお酒を飲み、そのあとスイーツをいただく。さらにお酒を口に含むと…最初に飲んだときと全然違った味わいに。
これは、私が想像していた以上の組み合わせでした。
まずは東京のみなさまに!
今月上旬、東京のレトロなビルの一室でお試しいただけるイベントを開きました。参加した人からは、「日本酒の美味しさにびっくりです。スイーツとも合うことに驚きました」「このお酒はどこで買えますか?」と嬉しい声が。
さらに東京駅直結の東京ミッドタウン八重洲の「Shop・Café & bar TASU+」で、このペアリングを2023年3月9日から22日まで、特別メニューとして提供しました。
神戸ならここで買えます!
せっかくワタナベマキさんに選んでもらったこのマリアージュ、ぜひ神戸の方にも楽しんでもらいたいです!酒蔵見学をして灘の酒の懐の深さを知り、心トキメク洋菓子店の世界観にひたりませんか?
(酒蔵)
(パティスリー)
そしてやっぱりお花見に!
今週末、神戸の桜は満開です!ぜひお友達や家族と一緒に意外な組み合わせを楽しんではいかがでしょうか。
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