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コロナ禍できびしい状況なのに、突如キャンプ場を作ってしまったライブハウス主!

コロナ禍で多くのひとが大変な状況に置かれましたが、とりわけライブハウスを取り巻く環境は大変きびしいものがありました。

そんな中、神戸を代表する4つのライブハウスは、ネット上に架空のライブハウス「ジャッジメントinKOBE」をつくって無観客ライブ配信サーキットフェスを仕掛けるなど、ピンチを逆手にとるような新たな展開を模索。
その中心にいたのがライブハウス「神戸VARIT.」の南出渉さんです。

南出さんがとてもユニークなのは、コロナ禍でライブハウス業界を盛り上げるだけでなく、突如キャンプにドハマリして、そのまま自分で新規のキャンプ場までオープンさせてしまったこと!

ピンチをチャンスに変える、そんなありふれた形容ではまるで追いつかないような南出さんの行動力。その陰にもやっぱり音楽への熱情があふれていました。

今回は、そんな南出渉さんが登場。南出さんをキャンプに誘い出した張本人でもある、KAIKEN 本丸勝也さんからのご紹介です。

南出さんのプロフィール

突如つくってしまった!?キャンプ場

―ライブハウスオーナーの南出さん、どういうイキサツでキャンプ場をつくることに?

僕は音楽以外の趣味が全然なくて、大学を中退してからは、それこそ音楽ばっかり。それが、コロナ禍でちょっと時間ができて、「キャンプでも行きませんか?」って誘ってくれたのが本丸さんでした。

これまでアウトドアにはまったく縁がなくて、昔、フジロックに参加したときでも「テントには泊まりたくない!」って言いはるくらいやったのに、なぜかここでめっちゃハマって(笑)。初めて音楽以外の趣味ができた感じです。

ライブハウスでキャンプを疑似体験するイベント

―だけど、ハマってすぐキャンプ場をつくってしまうまでの行動力はなかなか持てませんよ。何か理由がありましたか。

プライベートでキャンプに行くようになってみると、すごく楽しいんだけど、どの施設でも音楽禁止、楽器禁止だったんです。だったら、楽器禁止って言わないキャンプ場をつくったら面白いかなって。

音楽って好き嫌いがあるから、キャンプ場が一律そういう運営になるのはよくわかるんです。だからこそ、音を出してもいいという前提にして、それがダメな人は来ないでというキャンプ場をつくれたらと。まあ、心地よい音楽ってなんだろうって話でもありますよね。

―キャンプ場にかぎらず、公共の場で音を出すことのむずかしさってありますね。

そうそう。神戸のストリートでもいろんな企画をやってるけど、やっぱり音へのクレームはたえなくて…。

本当は神戸、それも六甲山でやれたらよかったけど、民家や別荘が近いのでどうしても難しくて。それで、キャンプ場は京丹後につくりました(京丹後森林公園スイス村 BEATCAMP)。神戸から車で約2時間半、ちょっと遠いんだけども。

ゆくゆくは、うちのキャンプ場では毎週バンドが演奏していて、必ずしもその人たち目当てじゃなくても、来てくれたひとが「音楽いいよね~」ってなるような運営にできたら面白いだろうなと構想中です。

京丹後森林公園スイス村 BEATCAMPでの音楽フェス開催の様子

U18のロックンロール優待生

―今はどんなことに興味がありますか?

ずっと考え続けているのは、生活の中に当たり前に音楽がある状況をどうやったらつくれるかなって。あとは、若い子たちのこと。コロナの巣ごもり期間の影響もあってか、今の10代って楽器の上手な子がすごく多いんですよ。

ただ、ライブハウスとしての集客面でいえば、今、若いお客さんはちょっと減ってるかな。中高生が初めて生のライブに触れる機会になっていた野外フェスが、コロナで2年ほどなくなってしまったことが、響きはじめている気がしていて…。ライブハウスにお客さんを取り戻す努力をしなければって、神戸の他のライブハウスも交えて相談を始めているところです。

―ライブハウスに若者を呼ぶために、どんなやり方を考えていますか。

もう始めていることでいえば、18歳以下はチケット代無料で入場できる「ロックンロール優待生」って仕組みをつくりました。ラバーバンドをつくって、そのバンドがあれば僕がこの1年間で企画するロック系のライブは無料で入れます、と。

今はまだ40人ほどですけど、これが200人くらいまで広がっていけば、もっともっと神戸のシーンが面白くなってくるんじゃないかな。他にも構想中の事業がいくつかあるので楽しみにしてください。

※トップ画像はロックンロール優待生も参加したVARIT.でのライブの様子です。

次に紹介するのは軽音サークルの大学生

―期待しています。それでは南出渉さんの気になるヒトをご紹介ください。

僕が中退した神戸大学時代に所属していた軽音楽部ROCKが今も続いていて、その昨年度の部長だった岡本季奈さんをご紹介します。大学の軽音サークルにはこれからもがんばってほしいので!

++

南出渉さんから岡本季奈さんへと渡されたバトン。
第6回は岡本季奈さんに気になる人をご紹介いただきます。どうぞお楽しみに!

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