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神戸に全部で120ある「児童館」 そもそも誰が使う場所? -愛称募集中-

神戸では、小学生が「私、児童館習ってないねん」と口にすることがあります。

はじめて聞くと、すごく違和感があると思います。児童館って、何かを習う場所なの?と… ですが、これで意味が分かる人も、たくさんいるのです。
 
神戸には、市立中学校が80校あり、各校区に1つ以上、児童館があります。総数ではなんと120か所。全国の市町村で2番目の多さです(ちなみに1番は京都市の129か所)。このうち115カ所を神戸市が整備・管理しています(残りの5館は民設民営)。

児童館は学童保育の場?

ただ神戸では、そのほとんどの児童館で、放課後児童クラブ、いわゆる「学童(学童保育)」をやっているという特徴があります。学童とは、放課後に自宅へ戻っても、保護者が仕事をしているなどで自宅にいない小学生の遊びや学習の場です。

15年ほど前から共働き世帯が急増したので、この「学童」を利用する子どもたちが全国的に増えてきました。神戸市の学童は待機なく希望者すべてを受け入れているので、学童で児童館に来る子どもたちが増えているのです。

するといつの間にか、「児童館=学童の場」というイメージが、すっかり定着したのです。なので、「児童館習ってないねん」というのは、関西弁で「学童で児童館に通っていないのよ」という意味なのです。

児童館体験レポート

そんな児童館は、普段どんな使われ方をしているのでしょうか。さっそく2つの児童館を覗いてみました!

長田区・池田児童館

今年9月1日、池田児童館では夏の恒例イベント「イケダーサル・ワールドツアー」が開催されました。今回のテーマは「世界旅行」で、児童館が旅行代理店の役割をはたします。

参加した人は、真夏に寒い部屋でアイスを食べる南極レトランを体験したり、イタリアでピザ職人に挑戦。ハワイに行ってフラダンサーになったりします。

この日だけは、主任児童委員さんたちが、ツアーコンダクターになり代わって、世界各国を案内します。

しかも、池田国旅券という手作りのパスポートを持って、世界中を旅するという演出が気分をさらに盛り上げます。

じつは夏休みの間、池田児童館は子どもたちと一緒にこの日の準備を進めてきました。子どもらが旅行代理店のスタッフとして、地域の住民や小学校の先生に招待状を手渡しすることもあります。

北区・箕谷児童館

北区の箕谷児童館、お母さんと乳幼児がいる一画に、小学生たちが集まってきました。

そして、「りんご ごろごろ」を歌いながら、両手を使った手ぶりをはじめたのです。特に「キャベツがキャー」のシーンでは赤ちゃんのテンションはMAXでした!

次にはじまったのは、小学生たちによる赤ちゃんへの絵本の読み聞かせ。

「金魚が逃げた」という絵本の最後では、たくさんのボールが詰まったプールが登場。そのなかに隠れている金魚探しがはじまり、見ていた赤ちゃんたちも大喜びです。子どもたちが赤ちゃんのために何かしたいということで、練習をしたそうです。赤ちゃんもお母さんも楽しそうでした。

児童館の本来のすがたは? 

児童館では、妊娠7-8か月ごろに撮るわが子との初めての写真「マタニテイフォト」を撮ったり、お母さんやお父さんが声をかけながら赤ちゃんの肌をなでる「ベビーマッサージ」をしたり、妊婦さんや赤ちゃんとその保護者向けにも使われています。

ただただ、児童館に来て畳の部屋で子どもとごろごろしているという人もいるのだとか。中学生や高校生がダーツや卓球を楽しむこともあります。
 
児童という言葉を使っているのと、学童保育の場として小学生が放課後に過ごすイメージが定着しているのですが、じつは0歳から18歳までの子どもの誰もが利用できるところなのです。

児童館が誰でも行きたいときに行けて、子どもたちがやりたいことをできる場になればいいな…

妊婦さんやお母さんお父さんが、子育ての先輩から何かのヒントを教えてもらったり、児童館のスタッフに子育ての不安や愚痴を話したり、相談できたりする場所でもあるはずです。

保育園や幼稚園、小学校、中学校と成長するにつれて、過ごす場所が変わりますが、児童館では、子どもと子育てを切れ目なく支え続けています。

児童館の「愛称」を募集

そんななかで、児童館のスタッフへのアンケートの回答で、児童館の呼び名を変えてはどうかという声がありました。

たしかに「児童館」と言われると、小学生だけが使うイメージがあります。

 そこで先日、愛称の募集を始めました。ただ、「児童館でいいと思うなあ」「児童館って名前は好きだけどなあ」という反響も。児童館がこれまでに親しまれてきた証ですね。

児童館のイメージが、もっと気軽に、多くの方に親しんでいただけるものになるように、はたしてどんな呼び方が良いでしょうか? 皆さんのアイデアをお待ちしています!10月11日まで受付中です。

<この記事を書いた人>
じろう /こども家庭局
児童館のない自治体で育ったので、自分が子供のときにこんな場所があればよかったのにと実感している。最近は1歳の子どもと一緒に「こべっこランド」や「こべっこあそびひろば」に出かけて、無料で遊具やおもちゃで遊べるのに驚いているとか。
この記事に学童だけではなく「神戸市では保育所の待機もゼロ」を盛り込もうとするくらい仕事に熱心。ただ、編集担当から却下された模様。

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