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大学生が神戸市長に言いたいことは何? 子育て施策に苦言!

神戸の大学生と久元喜造市長の対話フォーラムが、8月29日におこなわれました。

以前、ネットモニターのみなさんと市長の対話フォーラムの様子をお届けしましたよね。その大学生バージョンという感じです。

大学生との対話フォーラムは、2020年度以来、3年ぶりの開催。

久元市長が、以前「はたちを祝う会」のスタッフと意見交換をしたときに刺激を受け、「もっと若い人たちの話を聞きたい」と開催を希望したとのこと。

約30人の大学生が参加した対話フォーラムの様子を、広報戦略部ライターのゴウがお届けします。


どんなことを話し合うの?

申込時に書かれていた参加者の意見や課題意識から、以下の7テーマが設定されました。

①子育て支援
②神戸のブランディング
③まちの活性化
④震災復興・防災
⑤働く場づくり
⑥国際交流
⑦デザイン・文化・交流

いちばん数多くの意見が出たテーマは「子育て支援」。まだ子育ての当事者ではない大学生の関心が高いことに、驚きました。

また「震災復興・防災」のテーマが挙がったことも、阪神・淡路大震災を経験していない世代なのに……と胸が熱くなります。

いきなり出た!明石との比較

では対話フォーラムでは、どんな意見が出たのでしょうか?

●子育て支援

しょっぱなから、厳しい意見が飛び出しました。

「大阪や明石に比べ、教育の無償化についての支援が少ないように感じる」

「不動産屋に行くと『明石は人気で部屋がない』と言われた。神戸は駅前はきれいになっているが、住みやすさという意味では選ばれる要素が少ないのではないか」

「いきなり来ましたね……」と久元市長。
明石市との子育て施策を比較した表を見せながら、必ずしも明石市に遅れを取っているわけではないことを説明しました。

健診やタクシー助成は同じ、産後ケア事業の負担料は明石市より少ないです(画像はタップで拡大)
学童保育の負担料金も、高くありませんね
医療費は全額無料ではありませんが、同月なら3回目からは無料です

これを聞いて、大学生たちは意外という表情。
「それなら、もっとPRすればいいのに」という声に対し、久元市長は「これは考え方にもよるのですが」と前置きしたうえで

「うちの市の子育て施策のほうが優れている、と隣り合う市が人口を奪い合うのが、いいことだとは思えない。もちろん子育て情報を得られるサイトなどは作っているが、この比較表は積極的に出さず、聞かれたときにだけ使っている」

と自身の考えを述べました。

●まちのブランディング

大学進学を機に神戸に来たという学生からは、こんな意見が出ました。

「神戸はおしゃれなイメージがあるからこそ、移住しづらさを感じることがあった。もっと神戸のとっつきやすさを押し出したようなキャッチコピーで広報をしてもいいのでは」

「神戸には眠っているものがたくさんあると思う。それをなくしていくことが、開かれたまちにつながっていくのでは」

なるほど、おしゃれというイメージが先行しすぎてハードルが上がってしまうのですね。それは目から鱗でした。

この指摘に久元市長は「とてもいい視点」と言いながら「神戸には『おしゃれ』だけじゃない魅力がたくさんある。たとえばYouTubeで『神戸 板宿』『神戸 妙法寺』などと検索すると、おもしろい動画がいっぱい出てくるので、発見してもらえれば」

とアドバイス(?)をしながら、貴重な意見にうなずいていました。

●震災復興・防災

こちらの女性は、子どもの頃から新長田の商店街にシャッターの閉まった空き物件が多いことを目にして「まだ復興は終わっていない、これが私の人生の課題だ」と思い、建築系の学科に進んだそうです。

大学で防災を学んでいる学生からは、こんな意見が。

「再来年で阪神・淡路大震災から30年。30歳より下の人は、みんな震災を知らないということ。もっといろんな人に防災のことを知ってもらうために、防災を学ぶ学生どうしが協力したい」

「防災に限らず、大学どうしの横のつながりが薄いように感じる。ここに集まっている人は神戸を良くしたいと思っているはずだから、みんなで力を合わせれば神戸が盛り上がるんじゃないか」

という意見には、他の学生たちも大きくうなずいていました。

実際に久元市長も、フォーラム全体を通じて「大学どうしの横のつながり」というキーワードが心に残ったそうで、神戸市もそれを後押しすることを約束して、大学生たちにエールを送りました。

参加大学生の感想は?

最後は、参加した学生さんにインタビュー。なぜこのフォーラムに参加しようと思ったかを聞いてみると、「市長と話すなんて、めったにない機会だから」という答えが圧倒的でした。

では、参加してみてどうでしたか?

「神戸を良くしていきたいという、同じ思いの人と話せてよかった」

「市長は冗談も交えたりして、意外に気さくだった」

「人数が多かったから仕方ないが、本当はもうちょっと話したかった」

「でも30人いたからこそ、違うテーマに興味のある人の意見も聞けて勉強になったし、異なるテーマ間に共通点を見つけることができた」

神戸のこと・社会のことを真剣に考えて、それをきちんと言葉にして伝えられる学生さんたちに、「ええ大人」の私は感激してしまいました。

フォーラム終了後、市長は人気者でした

ネットモニターは随時募集中!

今回は学生が対象でしたが、神戸市のネットモニターになると、今回のような市長との対話フォーラムが年に2回ほどあります(参加は希望者のみ、応募多数の場合は抽選)。

あくまで活動のメインはアンケートの回答ですが、市長と話せる機会はなかなかないので、魅力の一つかなと思います。

アンケートは月1~2回程度で、そこまで負担にはなりませんよ。年間で6割以上の回答をされた方には、1000円分のデジタルギフトを進呈しています。

とくに若い世代のモニターや男性が少ないので、みなさんのご応募をお待ちしています!

<この記事を書いた人>
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。旅とバーとパンダが好き。

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