じっさいどぉなん? 有馬街道の渋滞を北神戸線の値下げで解消
誰もがイライラする交通渋滞。どうしてこの道、毎日混んでいるんだろうと思いますよね。
「なぜ渋滞が起こるのか?」
そんな誰もが抱く疑問をひも解いてみたいと思います。題材は「有馬街道」です。朝と夕方の通勤ラッシュ時の渋滞でけっこう有名です。
渋滞の原因は「交差点」らしい
そもそも、なぜ道路は混雑するのでしょうか?
わかりやすく言うと、実際の車の通行量が「交通容量」を超えるからです。交通容量とは、一定の時間内にその道路が車を何台通せるのか、すなわち道路の性能を表わしています。例えば1時間に2000台というふうに決まっています。これを超えるというのは、道路が「パンク」している状況になります。
交通容量は、車線数や道路の形で決まるのですが、見落としてはいけないのが「交差点」です。
交差点では信号で事故を防ぐのですが、一方の信号が青のとき、他方は赤。特に幹線道路同士が交差すると、青信号と赤信号のいずれの時間も長くなります。
すると、青信号になって「やっと進めるぞ!」と思っても、赤信号の間に溜まった車が増えてくると、青信号の間に全ての車が交差点を通過できません。何台かが残りはじめると、もう大変です。信号が変わるたびに残る車が増えると、どんどん渋滞が伸びていくからです。
しかも直進する車ばかりではありません。右折する車が多いと、対向車線の直進車や横断する歩行者を待つので、右折レーンが入りきらなければ、さらに車の列が伸びていきます。
有馬街道の渋滞ポイントは?
今回取り上げた「有馬街道」は、北神地域、鈴蘭台、そして神戸都心部を結ぶ重要な幹線道路であり、特に谷上駅付近の渋滞がひどい状況です。
というのも、もともと通勤時間帯は車が多いのですが、谷上駅へ向かう交通には家族を駅に送迎する車も含まれます。特に三田方面から谷上へ向かう西向き車線は一車線だけ。すると、駅に向かう車が多いと、交差点で直進の車が通過しきれず、渋滞の原因となるのです。
ここを通る車の多くが、箕谷と新神戸を結ぶ「新神戸トンネル」を通ります。トンネルに入ると信号がないのでスムーズ。なので、その手前が渋滞ポイントになるワケです。
渋滞解消へ 東行きは二車線に
もちろんこの状況を知りながら、神戸市として手をこまねいているワケではありません。
まず三田方面へと東に向かう車線は、「谷上駅前交差点」から西1.5kmにある「皆森交差点」までを二車線にする工事が2024年1月に完了しました。これで、東行きの渋滞はずいぶん改善しています。
一方で、西行きは車線を増やすのは物理的に難しいこともあり、抜本的な対策がとられていません。
阪神高速・北神戸線に着目!
そんななか、私たちが注目したのが、阪神高速道路/北神戸線の存在です。有馬街道とほぼ並走しているルートですが、通行料金がかかるということもあり、交通量は少なめです。
そこで、実験的に朝の6時から10時まで高速道路の料金を下げることにしました。いつも有馬街道を使っている車を北神戸線に誘導することで、有馬街道の渋滞を緩和できないかと考えたのです。
2023年4月から、東側の「からと西」、西側だと「藍那」から北神戸線を使って、新神戸トンネルを経由して三宮方面にいくとき、北神戸線の料金を割り引いています。
そして2024年4月に、東の割引区間を「五社」にまで拡大。藤原台や有野台には、たくさんの人が住んでいるので、お得になる人たちが増えました。
新神戸トンネルって普段使うの?
ただ、この「新神戸トンネル」って日常的に使うものなのでしょうか?北区に住んでいる人に聞いてみると、見事に二分していました。ある人はお金を払えば瞬時に三宮に行ける「魔法のトンネル」なので、普段は使わないと言っています。ところが、絶対に使う。昔は回数券の束を買って車に置いていたという人までいました。
ただ今回は、どちらの方にも朗報です!
実験期間の今なら、新神戸トンネルの通行料金550円にわずか110円を足すだけで、イッキに五社で高速にのって三宮まで行くことができます。通常の料金は880円なので220円の割引。そして短縮される時間は20分ほどなので、かなりお得です。
新神戸トンネルを普段使わない人にとっては「魔法のトンネル」が安くなる。普段から使う人は知らないと損するお値打ち情報ですね。
しかも、ある程度の交通量が北神戸線にシフトすると、問題だった「有馬街道」の渋滞が緩和されます。いうまでもなく、交通渋滞は金額としては現れませんが、社会的な損失にあたるので、少しでも減らすべきものです。
なので、こんな割引制度を少しでもたくさんの人に知ってもらおうと思い、この記事を書きました!社会実験の詳細は以下のページでくわしく説明しています。
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