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あと200日!神戸に世界パラ陸上がやってくる

10月30日のお昼ごろ。元「パイ山」ことサンキタ広場で「神戸2024世界パラ陸上 開催200日前イベント」がおこなわれました。

来年、神戸にやってくる世界パラ陸上について、広報戦略部ライターのゴウがお伝えします。


世界パラ陸上とは?

身体や知能に障害のある人がおこなうスポーツを「パラスポーツ」といいます。「パラ」とは「並行する」という意味なので、いわゆる健常者のスポーツと並行した「もう一つの」というニュアンスです。

オリンピックの約1カ月後にはパラリンピックが開催され、最近はメディアで取り上げられることも増えてきましたよね。

「世界パラ陸上」は、世界陸上のパラスポーツバージョン。1994年にドイツで第1回大会が開催され、2011年のニュージーランド大会からは、世界陸上と同じく2年ごとに開催されるようになりました。

第11回となる神戸大会は2021年の開催予定でしたが、コロナによる2度の延期を経て、ついに!ようやく! 2024年5月に開催されることになりました。東アジアでは初めての開催だそうです。

このイメージ画像、街なかで見かけますよね

日程:2024年5月17日~25日(9日間)
会場:神戸総合運動公園 ユニバー記念競技場

いろんな人のチャレンジ!

イベントでは、きょう公開された新しいPR動画がお披露目されました。

動画にも登場する、女子砲丸投げ(上肢障がいF46)の齋藤由希子選手が、組織委員会 会長の増田明美さんとトーク。

齋藤選手は、ことしパリで開催された世界パラ陸上の銅メダリスト。世界記録保持者だったこともあります。パリ大会の勢いのままに、世界記録の奪取を目指します。

そして、自分の新しい境地にチャレンジするのはアスリートだけではありません。

世界パラ陸上を日本中で知ってもらって盛り上げようと、この200日前を皮切りに、あす東京をキャラバンカーがスタートし、全国を回ります。

スマイルレゾナンスキャンペーン」と題し(レゾナンスは「共鳴」の意味)、大会のホストタウンなどを回る中で1万人の笑顔の写真を集めます。

その撮影を担当するカメラマンの1人が、青山進さんです。

青山さんには、黄斑変性(おうはんへんせい)という視覚障害があります。視力がきわめて良くないうえに、視野の中心部(見たい部分)が見えないという症状です。

青山さんは、そうした症状がありながら写真を撮るブラインドカメラマンなのです。

ふだんは全体の雰囲気をつかみ取り、風景写真や花など静物を撮るという青山さん。人の表情が見えない青山さんにとって、人物写真を撮るのは新たなチャレンジだと言います。

青山さんがこれまでに撮った写真

学生時代、陸上競技をしていたという青山さん。「自分の好きなカメラと陸上の両方に関係するイベントに携われるのがうれしい」と話していました。

パラスポーツは「私」の写し鏡かも

陸上を含むパラスポーツやパラアスリートが、メディアに取り上げられる機会が多くなったのは、ここ10年ほどでしょうか。

パラリンピックを見て、片手の野球選手がグローブでボールをキャッチした後に瞬時にグローブを脱ぎ捨て、同じ手でボールを投げる様子に衝撃を受けたり、目の見えない水泳選手がプールを泳ぐ様子を「怖くないのかな」と心配したり。

初めのころは「障害があるのに」こんなことできるなんてすごい!という驚きやリスペクトだった気がします。

でも最近、そうした感情を「あれ?それってちょっと違うんじゃない?」と感じるようになりました。

文字で伝えるのは難しいのですが、「障害があるのに」という発想は、どこか上から目線というか、結局は障害のある人と健常者を区別してるんじゃないかと……。

障害があってもなくても、人間が躍動する様子を見るのって、人間の本能が求めていることだと思うんです。(障害の有無という意味ではなく)私たち凡人がなし得ない超人プレーを生で見られる機会が、神戸にやってくる!

それ以上でも以下でもないのかなと。

パラスポーツがメディアで取り上げられることは、こうした自分の認識の変遷に気づく意味でも、意義があるんだなと感じました。

神戸2024世界パラ陸上の開催まで、あと200日!!

市役所のモニター前のカウントダウンも200日!

〈この記事を書いた人〉
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。
旅とバーとパンダが好き。

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