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神戸の食の新名所「北野ノスタ」オープン!レトロな旧小学校を改修

神戸の山手、坂道の途中にある旧北野小学校。

レトロな校舎を生かし、1998年からは「北野工房まち」として運営されていました。運営会社との契約終了で2023年にいったん閉館しましたが、きょう11月8日に「神戸北野ノスタ」としてオープンしました!

前の「北野工房まち」は、神戸のものづくりをテーマとした体験型施設でした。

今回はコンセプトをがらりと変えて「上質な神戸のライフスタイルを発信する」をテーマに事業者を募集したところ、神戸の大きな魅力である「食」をテーマにした複合施設に生まれ変わったのです。

こんにちは、広報戦略部ライターのゴウです。

すでに家族や友達から「朝のテレビでやってた」「東京のチョコレート店が入るんよね」とメールがあり、うわ、みんな知ってるやん!と焦る私(笑)。

ということは、施設に入る店舗を紹介するだけでは二番煎じ。ここは神戸市公式noteらしく、もう少しマクロな視点でトリビアもお伝えしたいと思います。


舞台はもうすぐ100歳の校舎!

旧北野小学校が、北野尋常小学校として開校したのは1908(明治41)年。今にも残る校舎(当時は東校舎)が建てられたのは、1931(昭和6)年です。

1931年といえば、満州事変があった年! すごい歴史を感じますね。

現在の建物が完成したとき

「北野工房まち」時代に訪れた方はご存じと思いますが、木のぬくもりが感じられる内装ですよね。だから私、あの建物は木造だと思っていたのですが、なんと鉄筋コンクリート造なんだそうです!

そのため、阪神・淡路大震災でも奇跡的に残り、その後に現在の基準に合わせた耐震改修もなされています。

オープニング式典で久元喜造市長は

「この校舎が建てられた1930年代前半は、関東大震災(1923年)をふまえ、耐震性が高くデザイン性にも優れた、すばらしい建物が次々と建てられた時代です。旧北野小学校もその一つで、その良さを極力残していただけました」

と、事業者に感謝を述べました。

ちなみに、役所らしくちょっとまじめな話をすると、土地と建物は今も神戸市のものなんです。そこを舞台に、民間企業が事業を展開するという方式をとっています。

では、施設の中に入っていきましょう!

開放感のあるフロアに驚き

建物に入った第一印象は「おお、けっこう変わったな」でした。

「北野工房まち」時代は学校時代の教室の区切りをほぼそのまま生かし、各教室に店舗が入っていましたよね。

しかし「北野ノスタ」になって、教室ごとの区切りが大幅に減り、広いスペースが増えたなと感じました。

1階の見取り図

■カフェとスイーツの1階

1階は、カフェとスイーツの気軽なフロアです。広いメインスペースがノスタ運営のカフェで、いくつかの教室スペースに専門店が入ります。

こちらは、ノスタカフェの一押し「ノスタパンケーキサンド」。クリームはたっぷりですがあっさりしているので、一瞬でペロリでした。

では、専門店はというと……?

まずは、灘五郷の日本酒を販売する「灘五郷SAKE VILLAGE」。好きな飲み口に合わせて、いろいろ教えてくれますよ。試飲もできます。

お店が人・人・人であふれ返っていました!神戸初出店のベーカリー「マリアージュ・ドゥ・ファリーヌ」

バス停の形をしたかわいい看板は、こちらも神戸初出店のコーヒー店「神戸北野焙煎所」。焙煎の大会で日本一を獲得した天満一行さんが手がけています。

このお店のユニークなのが、コーヒーの相棒として「たい焼き」を推しているところです。

普通のたい焼きのほか、ハム・エッグ・チーズでトースト代わりのたい焼きも

そして、冒頭に書いた東京のチョコレート店とは……。世界的にも著名なパティシエ・辻口博啓シェフのお店「ル・ショコラ・ドゥ・アッシュ」です。関西初出店だそう!

NOSTA限定、兵庫の素材を使った「淡路島の藻塩キャラメル」「丹波黒ごまプラリネ」もあります。

オープニング式典には辻口シェフも来られていましたよ!

■レストランとバーの2階

2階は1階よりも、もっと広々。フロア全体がレストラン「Kitano Grill&Bar」となっています。

ワインセラーがあるので、ソムリエと相談しながら食事に合わせるワインを選ぶことができますよ。

バーエリアでは、お酒だけでなくノンアルコールカクテルやコーヒーもいただけるそうです。

■イベントや貸しスペースに、講堂の3階

3階はこれまでの形を受け継ぎ、北野小学校時代の体育館を利用した講堂です。

イベントスペースとして1時間2200円(以降30分ごとに1100円)で借りることができます。

ちゃんと残る北野小学校のおもかげ

すごくスタイリッシュに生まれ変わった旧校舎ですが、講堂がそうであるように、小学校時代のおもかげはきちんと残っています。

年季の入った階段の木製の手すりは、思わずさわりたくなっちゃいますね。

卒業制作のモザイク画も、学校って感じだなぁ……。

こういうところにホッとさせられますね。

で、ノスタってどういう意味?

ところで、「ノスタ」って何に由来する言葉なんでしょう? 

私は最初、何も知らない段階でこの言葉を聞いたとき、和田岬のノエビアスタジアムの略称かと思いました(違)。

事業者に聞いたところ、

  • 旧小学校の施設として「ノスタルジック(懐かしい、しのぶ)」から取った

  • 北野にある「食」がテーマの施設なので「ノース(北)+食べる」の造語

この2つの意味があるそうです。なるほど~!

ここに出店する店舗は、日本酒以外は神戸初出店のお店ばかり。

実は私、事前の資料で店舗一覧を見たときに「神戸の老舗が入ってないんだ……」と、ちょっとだけさみしい気持ちになったんです。

でも今日、お店でいきいき働くスタッフやお客さんの表情を見て「外から来て神戸の仲間になってくれる人が増えたんだな」とうれしい気持ちになりました。

みなさん、ようこそ神戸へ!

ちなみに、1階のノスタカフェは朝8時から、2階のバーは23時までの営業とのこと。

この近辺にお住まいの方なら、朝のウォーキングの後に「モーニングスイーツ」が癖になっちゃいそう(笑)。

神戸に住む人も観光客も、何度も訪れたくなる神戸の食の新名所ですね!

【おまけ】

実は、ここにもBE KOBEがあるんです。塗料の関係なのか、写真に撮ると浮かび上がったように見えるので、最高の「映え」スポットになりますよ。

どこにあるかは内緒。ぜひご自身の目でたしかめてくださいね!

<この記事を書いた人>
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。
旅とバーとパンダが好き。

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