プラスチックのリサイクル、一歩先を行く回収拠点が各地で増加中!
ミネラルウォーターやドリンクを飲んだ後のペットボトルを、皆さんはどのように捨てていますか? 外出中なら、ペットボトルを捨てても良いごみ箱を探しますね。自宅だとどうでしょう?
神戸市では、ボトル本体は「缶・びん・ペットボトル」、ラベルとキャップは「容器包装プラスチック」の指定袋に入れて出すというルールになっています(ちなみに汚れていたら「燃えるごみ」です)。
ペットボトルもプラスチックなのに、なぜ容器包装プラスチックと分けて回収されるのでしょうか。
じつは、プラスチックの中で、ペットボトルはリサイクルの優等生なのです。特に、日本でのペットボトルのリサイクル率は約9割。欧州が約4割、米国が約2割なのと比べて、はるかに高い割合でリサイクルができています。これにはいくつか理由があるのです。
なるほど、これらがそろっているから、うまくリサイクルができているのですね。
プラスチックの材質は一つじゃない
ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレンという言葉があります。これらは全てプラスチックの種類を表しています。プラスチックと一言でいわれますが、じつは色々な材質のモノがあるのです。
食品トレーや洗剤のボトル、お菓子の袋などは「容器包装プラスチック」で出していると思います。でも、その材質はバラバラで、なかにはいくつかの素材を混ぜ合わせたものもあります。
このようなプラスチックは、ペットボトルのように再び元の製品に戻せる技術が現時点では確立されていません。なので、うまくリサイクルできないのが現実です。結果として、国内では回収した25%程度しかプラスチックとして利用されていません。残りの大部分は熱エネルギーとして使われています。
プラスチックは生まれ変われる?
ところが、これらの中にもペットボトルのようにリサイクルできるプラスチックは存在します!
そのためには、きれいに洗った上で、同じ品目のモノだけを集めて、回収することが必要です。
これを実現するには、何より大事なのは、一歩進んだ皆さんの協力です。
そこで神戸市は、市内の各地に「資源回収ステーション」と呼ばれるプラスチックを資源として回収する拠点をつくっています。ちなみに、このようなプラスチックの資源化に特化した取組みは、ほかの自治体ではほとんど例がありません。
資源回収ステーションとは?
2021年11月、長田区にある旧二葉小学校の校舎を利用したふたば学舎に、「資源回収ステーション」がはじめてできました。利用者からとても好評でしたので、神戸市内の各地にステーションを増やしています。
ここの特徴は、指定のごみ袋にいれる必要もなく、回収する曜日の決まりもありません。ステーションの開館時間であれば、いつでも持ち込むことができます。
この拠点の日々の管理は、地域住民の人たちが行ってくれています。そして、資源の回収は市の役割です。
資源回収ステーションでは、持ち込まれた資源がどのようにリサイクルされ、何に生まれ変わるのかを、分かりやすいイラストで描いて掲示しています。ここに資源として持ち込むと、自分が環境に貢献していることが実感できるのではないでしょうか。
ごみ出しをきっかけとした交流
資源回収ステーションを利用するには、家から出て、その場に足を運ぶことになります。ここが、「ごみ出しをきっかけとした交流の場」になることを願っています。
仕事も引退して、一人暮らしになると、人によっては買い物くらいしか外出しないこともあります。でも、誰でもごみ出しはしますよね。そこで、自宅の近くのクリーンステーションではなく、近所への散歩がてら、少し足を伸ばして資源回収ステーションに行ってほしいと考えています。
ステーションを運営する人や出会った人と話をしたり、近所でイベントをしていることを知ったりすることで、生活の幅が広がるきっかけになればうれしいです。
今も利用される人たちから、「ごみ出しが楽しくなった」「一人暮らしなので人のいるところへ行くのがなにかうれしい」などの声もいただいており、手ごたえを感じています。
資源回収ステーションは現在、市内で13か所あります。それを来年3月までに、さらに9箇所増やして、22か所にすると今日、久元喜造市長が発表しました。
プラスチックのリサイクルを進めていくのはもちろんですが、地域の人たちの交流の場になってほしいなと思っています。ぜひ、ふらっと気軽にステーションをのぞいてみてください。きっと、思いもよらない交流につながるかもしれません。
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