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知っとぉ?兵庫運河のこと。実は真珠もとれるんです

どどーん!!
見てください。カニがインパクト大の、この汁物を。

9月24日に兵庫区の運河周辺で開催された「2023兵庫運河祭」に行ってきました!

冒頭のカニの汁物は、運河祭恒例の名物「清盛なべ」です。
ここに大輪田泊(おおわだのとまり)と呼ばれた港をととのえた平清盛にちなんでいます。
(清盛→平家→平家ガニ→カニを使うイメージですかね?)

兵庫区連合婦人会のみなさんです

ほかにも漁協のしらす丼があったり、ステージには「神戸清盛隊」や「ワタナベフラワー」が出てきたりして、やっぱりお祭りは楽しい!

なんですが。
兵庫運河のこと、意外に知らないなと気づいたんです。

◎兵庫運河のある一帯は、大輪田泊(おおわだのとまり)として平安時代末期に平清盛がととのえた

◎能福寺の大きな大仏が有名

◎ここに初代の兵庫県庁があり、ここの「兵庫」という名前が県名の由来になった

くらいは知っていたんですが、兵庫運河そのものについてはほとんど知らないわ……。

ということで、運河祭を機に知った兵庫運河のあれこれを、広報戦略部のゴウがお伝えします。


何のために運河がつくられた?

運河とは運輸や灌漑、排水などのために人工的につくられた川(河)のこと。世界的にはスエズ運河やパナマ運河が有名ですね。

兵庫に運河がつくられた理由はズバリ、和田岬です。

(岬だから当然ですが)地形が出っ張っているため、船の航行で迂回しなければならないし、台風のときに船を逃がす場所がない。和田岬は神戸の海運の「難所」だったわけです。

そこで明治時代の初め、豪商の神田兵右衛門の呼びかけにより1875(明治8)年、新川運河がつくられました。これを皮切りに官民が一緒になって5つの運河がつくられ、全体で兵庫運河となりました。

現在は、海路としての役目は終えていますが、沿岸が公園になったり水辺の学習に活用されたりして、地域に親しまれています。

そして今回の運河祭では、その運河をSUPボートに乗って水面から眺める企画があったんです!

これは貴重な機会!と乗ってきました。
つたない撮影で恐縮ですが、水面からの眺めをご覧ください(音声はありません)。

ときどき穏やかな風が頬をなでて、とても気持ちよかったです。

この広い水路(ほとんど海に感じる)が、最初はなくて陸地だったんだなぁと思うと、運河を切り拓いた先人たちの熱い思いが胸に迫ってきました。

海の環境改善で真珠もとれる!

そんな兵庫運河は最近、海の環境を守る場所にもなっています。

「ブルーカーボン」って聞いたことありますか?
カーボンは炭素のこと。地球温暖化を食い止めるために、二酸化炭素(CO2)を減らそうという取り組みの一つを表す言葉です。

ブルーカーボンを知るまで考えもつかなかったのですが、CO2は陸上だけでなく海の中にもあります。海の中で海藻やプランクトンがCO2を吸収し、大気中に放出しないように固定することをブルーカーボンと呼ぶのだそうです。

海藻の中でも、CO2の吸収にとくに効果的なのが「アマモ」で、それを兵庫運河内で増やし、水をきれいにする活動をおこなっているんです。

近隣の企業に勤めるという男性は「30年前に入社したときは、もっと運河の水が汚かったですが、最近は魚も増えた」と語っていました。

実際に、きれいになった運河の中でアサリがとれるようになりましたし、真珠の養殖もしているんですよ!

これが、運河でとれた真珠です(販売はしていません)。

ガラスケース越しなので、輝きを伝えきれなくてすみません!

この活動には、漁協や近隣の企業、地元の子どもたちや保護者たちなど、地域のみなさんが一緒に取り組んでいます。

運河に近い、浜山小学校の子どもたちが考えたのが、こちらのキャラクター。Sea(シー)ちゃん&Ei(エイ)ちゃんです。

運河に棲むエイと、アサリと真珠がモチーフ

久元市長、驚きの登場シーン

さて、この記事は「市長の動き」マガジンなので、開会直前に久元喜造市長の姿を探しましたが見当たりません。

あれ、どこだろう?と思った瞬間、運河の水門のほうから一隻の船が近づいてきました。

なんと! 神戸清盛隊に先導されて(めっちゃ絵になる…)久元市長も乗っているではないですか!!

しかも、さっき紹介した「Seaちゃん&Eiちゃん」のTシャツにサングラス姿! すごくレアじゃないですか……!(ウエストポーチに見えるのは救命胴衣です)

登壇者たちが降り立ったのは、運河に浮かぶ経ヶ島ステージ。
これも清盛がつくった人工島・経ヶ島(きょうがしま)になぞらえているのですね。

久元市長は「今、運河を通ってきましたが以前に比べ本当にきれいになった。これも運河の環境をきれいにする活動に取り組むみなさんのおかげです。水上バイクを規制する条例も作ったので、安全に楽しめる、そして美しい兵庫運河を守り育てていきたい」とあいさつしました。

そして、やっぱり神戸清盛隊は華がありますね!(けっこうファンです)

兵庫区は90歳になりました!

ところで、ことしは兵庫区が1933(昭和8)年に誕生してから90年です。

その前は湊西(そうさい)区という名前で、兵庫区になってからも、今の北区のあたりまで兵庫区になったり、また離れたりして今に至ります。

兵庫区制90周年ページの資料より(タップで拡大します)

そういえば昨年には、県立の施設「兵庫津ミュージアム」ができましたよね。

帰りに立ち寄ってみましたが、平清盛の時代から明治時代の県庁開設まで、これまで断片的だった知識が線になってつながったように感じました。

右のビルがミュージアム部分、左の日本家屋は初代県庁を復元したもの

このエリアにはヴィッセル神戸の本拠地である「ノエビアスタジアム」や、ことしオープンした「こべっこランド」がありますが、サッカー観戦をしない&子どものいない私は、足を運ぶ機会があまりありませんでした。

でも兵庫県の名前の由来となった地域ですし、実際に歩いてみれば下町っぽくていい感じのお店や、北欧家具・雑貨のおしゃれなお店もあったり。

神戸には、自分の知らない魅力がまだまだいっぱいあるなぁと感じた一日でした。

運河祭の最後には、レインボーランタンを上げて兵庫区の90歳をお祝いしましたよ!

<この記事を書いた人>
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。旅とバーとパンダが好き。

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