神戸市役所が求める民間企業からの転職者とは?
昨年12月、久元喜造市長は「民間企業を経験した転職者の採用に力をいれていく」と発表しました。自治体の職員採用は、新卒が基本であったので、大きな方針の変更にあたります。
神戸市役所の採用では、大学を卒業して5年ほど民間企業で働いていた人でも、特別な準備がいる筆記試験を受ける必要がありました。27歳までを新卒扱いとしていたからです。それを今年から24歳までに引き下げました。
こうすることで25歳から年齢上限の39歳までが、民間からの転職を想定した採用枠になります。この枠だと、もともと筆記試験がないので、適性検査(SPI)と面接だけになるのです。
公務員特有の受験勉強が不要になり、民間企業で働いていた人が、転職するときのハードルがほぼなくなるというわけです。これに合わせて、転職者の採用枠を全体の半数にまで拡大しています。
神戸市役所がほしい人物とは?
さらに、新しく「神戸の難問に挑む人、募集。」というキャッチコピーを決めました。
はじめてこの言葉を見たとき、私は驚きました。今まで神戸市では、このようなコピーで断言してなかったからです。
ただ、はっきり言うのは良いと思いますが、「神戸の難問に挑む人」の「難問」って、いったい何なのでしょう?
じつは民間企業などの経験者向けに「社会人1dayインターンシップ」というイベントを1カ月に1回のペースで開催しています。そこに難問が何なのかを知るカギがあるのかもしれません。
社会人1dayインターンシップ
インターンシップというと、就職活動前の大学生が参加するものです。ですが、いま仕事を持っている人を対象に、神戸市役所での仕事を知ることができるイベントがこれです。参加できるのは10名限定で、毎回満席という人気ぶりです。
というのは、地方公務員の仕事って、ベールに包まれていますよね。分野でいうと、商業・観光・道路・河川・水道・環境・地域コミュニティ・高齢者・福祉・医療・子育て・・・など
業務内容でも、イベント企画、制度づくり、広報、経理、窓口対応・・・など、数え切れません。
そんな市役所で働く実態を、職員たちからナマの声を聞けるのが、このインターンシップです。
たしかに、公開されていない情報は、面接でも聞きにくいものです。
自分の給料がいくらになるのか、それが10年後にはいくらになりそう? さらに、フレックスや在宅勤務の制度が、それがとりやすい雰囲気なのかも、ずばり教えてくれます。
自治体が中途採用に求めるモノ
で、神戸市が求めている「神戸の難問に挑む人」の「難問」とは何なのでしょうか?
私は「前例がない、一筋縄では解決にたどり着けない問題」かな? と思いました。ただ、私の目の前にはそんな「難問」が現れたことはないです。
そこで、「え、難問、、解いたことあるよ」という先輩職員に教えてもらいました。それは、、
その後、五色塚古墳を訪れる人の数は、コロナ前と比べても2倍になったらしいです。パワースポットとしての認知も進み、兵庫県外から訪問者も増えています。「古墳をパワースポットにせよ!」は、たしかに難問ですね!
他にも、荒れはてた持ち主不明の空き家をどうする、若者が就職したくなる仕事を増やしたい、といった難しい問題に自治体は直面しています。
しかも、どこの教科書を見ても答えが見つけられません。
そんなホントの姿を知ることができるのが、このインターンシップなのです。
地方公務員って、じっさいどぉなん?
このコピーを発表する前、インターンシップの参加者がよく聞いていたのは、「繁忙期の残業時間は?」「職員はどんな人が多い?職場はどんな雰囲気?」です。
たしかに気になるし、パンフレットには良いことばかり書いてあるので、本当の姿を知りたくなりますね。
終わった後に、参加者に感想を聞いてみると、「この場でしか知ることができない情報が得られた」「アットホームな雰囲気だったので気兼ねなく質問できた」と話していました。
ちなみに、次の「社会人1dayインターンシップ」は以下の予定で開催されます。
神戸市で働く、地方公務員として働くのと、民間企業との最大の違いは、売上とか利益が目標でないことです。転職してきた人は、ここにとまどいもあるようです。
そんなことも質問できます。でも、職員によって答え方は違うので、それが判るだけでも、意味があるのかもしれません。
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