見出し画像

長田高校×神戸市長!「市長になりたい」生徒へどんなアドバイスを?

春らしい陽気の3月15日、久元喜造神戸市長は県立長田高校で講演をおこないました。

以前も武庫川女子大学や兵庫高校での講演の様子をお伝えしましたが、「若者に選ばれるまち」を目指すために、久元市長は若い人に向き合う機会をとくに大切にしています。

長田高校は、2020年に創立100周年を迎えた歴史ある高校で、文武両道をモットーとしています。

去年の秋、なんと学校から初めてのプロ野球選手が誕生!
横浜DeNAベイスターズへの入団が決まった、橋本達弥さん(慶應義塾大学)です。

横断幕もありました!

学校指定の標準服もありますが、始業式など式典以外では私服での通学が認められる、自由な校風の学校です。

今回、久元市長の話を聞いたのは1年生全員の320人。
テーマは、神戸市の子育て政策です。

さて今回は、どんな様子だったでしょうか……?
広報戦略部ライターのゴウがレポートします。

子ども医療費は無料化すべき?

まずは久元市長の講演ターンです。

子どもの遊び場づくりや、ひとり親家庭やヤングケアラー支援など、神戸市が取り組む子育て支援政策を一通り説明した後に、「子どもの医療費を無料化するかどうか」をメインの話題として切り出しました

神戸市の子ども医療費は全額無料ではありませんが、県内には、中学3年生・高校3年生までの医療費が無料の自治体がいくつかあります。

そのため、神戸市としてはそこを突かれると痛いんじゃないかと思っていたので、市長みずからがこれを主題にしたことに、私は少し驚きました。

神戸市は現在、3歳~中学生までは外来を「月に2回まで1医療機関・薬局ごとに1日400円、3回目から無料で受診」できるように医療費を助成していて、2023年10月からは対象を高校3年生までに拡大します。
ちなみに現在も、入院した場合の費用は高校3年生まで無料です。

講演資料より

それをさらに、全額無料にするかどうか。
久元市長は、無料でないほうが県内で少数派であると自覚しながらも、

・若い世代に負担を先送りしたくないこと
・行動経済学で、無料にすると医療サービス利用が増加するという研究があること

を理由に挙げ、「サービス」と「適切な負担」のバランスが大事だと話しました。

朝一番の講演にもかかわらず、生徒たちは真剣な表情で聞いています。

<子供の医療費に関する研究論文>

「神戸市長になりたいんです!」

こんどは長田高校生からの質問ターンです。子育て政策そのものというより、その政策をするにあたって、市民の理解を得る方法や広報についての質問や意見が出ました。

そして、こちらの生徒は将来、神戸市長になりたいのだそうです!
小学3年生のころから、神戸市長になりたいと思っています。すばらしいけれど課題も抱えている神戸のまちを率いるリーダーになるために、どんな経験を積めばいいか、教えていただきたいです」

その言葉を聞いた久元市長は、とてもうれしそう。
「市長という仕事は大変ですが、とてもやりがいがあります。やりたいと言ってもらえて、すごくうれしい」と、喜びました。

「どんな仕事に就いても、神戸のことを考え続けていくこと。誰かのために、社会のためになりたいという情熱、問題意識を持ち続けて自分なりに知識や経験を積んでいくのが大事です。市長になれるかどうかは、運とめぐり合わせも大きいと思います」とアドバイスを送りました。

最後には、高校生が授業の中で考えた政策を市長に提言。空き家対策や公園整備、市営地下鉄でのQRコード型乗車券導入など、現在の神戸や社会の状況をよく踏まえたもので、久元市長はしっかり受け止めていました。

ナマ市長、どうだった?

講演会終了後、何人かの生徒に感想を聞いてみました。

「ふだん生活していると、政治への愚痴や批判を聞く機会は多いけれど、実際に政治をしている人の話を聞く機会はなかった。だから市長がTwitterがしんどかったという話はおもしろかったし、さまざまな視点から考えるきっかけになった」

「僕たちはまだ子育てをする世代じゃないけど、将来生きていくうえで大事なことなので、(子育て支援をしているのは)とてもいいなと思った」

「堅いイメージがあったけど、Twitterの話をしてくれたりして、おもしろかった」

「どの質問にも真剣に答えていたから、本当に神戸市が好きなんやなと思った」

講演で「Twitterがしんどかった」と本音を言った久元市長。高校生にはそれが意外にも好評だったようです。

今日のことが、長田高校1年生の皆さんがほんの少しでも神戸市政に関心をもつきっかけになればうれしいです。

笑顔で撮影に応じてくれました!

*今回のような市長による講演の対象人数や講演テーマは、学校ごとに神戸市との話し合いで決まります。

<この記事を書いた人>
ゴウ/広報戦略部クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。旅とバーとパンダが好き。

〈関連記事〉