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神戸市公式noteのライター募集! 記事づくりの現場を初公開

2022年9月に「神戸市公式note」はスタートし、これまで205本の記事を公開しました。月に6本程度、一番多い月には13本の記事を出しています。

従来の自治体の公式ホームページでは、書けないことがありました。

例えば、新しくできた魅力スポットの利用体験、市の施策のその後や事業の裏側にある職員の思いといった、一歩深い内容はホームページで出せていません。

そこから脱却するために生まれた広報ツールが、「#じっさいどぉなん神戸」という神戸市公式noteです!

誕生から2年。たくさんの読者に支えられ、とても大事な広報ツールに成長しました。ほかの自治体からもうらやましがられるほど…

そこで、さらなる充実を目指して「神戸市公式note専属ライター」を募集します!


神戸市の広報戦略部長兼広報官の多名部重則です。公式noteの編集責任者である私としては、素敵なライターさんに来てほしい。そこで、記事づくりの実態を明らかにすることにしました。

主戦場は役所言葉の言い換え

記事をつくるときに一番大事にしているのが、読者に「伝わっている」かです。これを実現する近道は、役所ならではのわかりにくい言葉を、チラ見しただけで理解できるように、置きかえることではないでしょうか。

例えば、「地域子育て入浴割引(銭湯利用促進事業)」という制度があります。じっと眺めているとだんだん理解できる、、レベルです。

これを紹介する記事では、正式な名称は使っていません。どう説明しているのかというと「子どもと一緒に銭湯に行くとお得になる割引」です。

他にも、恐ろしいほど長い事業の名称があったりします。例えば、「神戸三田線の渋滞を緩和する『阪神高速北神戸線の料金割引社会実験』」がそうです。難解すぎてとても記事には使えません…

これを紹介する記事のタイトルは「じっさいどぉなん? 有馬街道の渋滞を北神戸線の値下げで解消」とし、正式な事業名は本文中に全く登場させていません。

神戸市公式noteの編集体制

これまで公開した約200本の記事は、1/3は広報戦略部に所属するフリーライターのゴウさんが執筆しました。とりわけ、久元喜造市長が出席したイベントや行事の様子を伝える「市長の動き」は、全てゴウさんによるものです。

そして残りの2/3の記事は神戸市の職員が書いたもの。ただし、ライター経験がない職員が独力で書いた原稿の出来は、はっきりいうと危険水準…

そのまま公開できるレベルにありません。そこで「編集者」が伴走します。

この「編集者」というのは、記事を書く前からライターと記事の企画を練って、ライターが書いた原稿の点検と修正をし、掲載写真やタイトルを決定します。

神戸市の公式noteでは、編集者とライターは二人三脚で記事をつくっています。編集者は半分は読者の立場にあるので、役所言葉から脱却した読みやすい文章になるわけです。

広報ツールとしてnote記事を活用する自治体は増えました。ですが、こんなふうに編集体制をしっかりと組んでいるのは珍しいと思います。

現在この「編集者」は務めるのは、ライター経験のある私とゴウさんの二人です。

ゴウさんとの契約が、来年3月に終わるので、専属ライターを募集することになりました。新しいライターには「市長の動き」を執筆してもらいますが、公式noteの編集者としての役割も担ってもらいます。

神戸市役所の庁内副業制度

さっき神戸市の職員が書いていると紹介しましたが、広報部門の職員が書いているのは約半分です。それ以外の記事は、企画調整局や健康局、交通局といったほかの部局の職員によるものです。

2年間に公式noteをはじめたときは、記事を書いてくれる職員を市役所中から探していたのですが、今はその逆。書きたいと手をあげる職員がたくさんいるので、次は誰に書いてもらおうかと悩んでいます。

ただし、誰が書いても公開した記事に責任を持つのは広報戦略部、つまり私。なので、記事の編集権も100%、広報戦略部にあります。

ということは、ほかの部署の職員が、広報戦略部の仕事をする形になります。

これを実現させるカラクリがあります。それが、「庁内副業制度」という神戸市役所独自の仕組みです。そもそもこの制度は、写真を撮ったり、ピアノを弾いたりするのが得意という職員個人のスキルを、他の部署の仕事に生かすための仕組みとして導入されました。

これを使えば、記事を書きたいと思った職員個人の思いを、市役所全体として生かるのです。

市職員全体のスキルアップを

ここまで種明かしをすると、神戸市公式noteが持つ「隠れた目的」に気づいた方もいると思います。

それは、神戸市役所で働いている全ての職員の「伝える能力」の向上です。

職員は誰でも記事を書けて、もし自分の書いた記事に「スキ」がたくさん集まると、その職員は2本目、3本目の記事が書きたくなります。伝えるおもしろさを実感できるからです。

今回募集するライターには、この裏の目的の実現、つまり職員を育てることに力を発揮してほしいのです。職員向けの研修の講師もお願いしたいです。

長い目で見ると、神戸市役所の職員全体が変わっていく…

募集枠は1名。週3日勤務のパートタイム公務員になります。副業OKで、35歳の方を前提にすると月収ベースで30万円以上という条件。

これこそが私の仕事だと思った方の挑戦を、心よりお待ちしています!

〈この記事を書いた人〉
多名部 重則/広報戦略部長兼広報官、Forbes JAPAN Official Columnist
米国シリコンバレーの投資ファンドとの起業家育成を軸にしたイノベーション施策を2015年に立ち上げた。2020年から映像クリエイター・デザイナー・ライターなど副業人材を職員として雇用して、神戸市の広報業務の変革に挑戦中。博士(情報学)。
じつは、妻は西区にある桜が丘中学校の教頭先生をしている。公開前のnoteの記事を読むよう頼まれ、めんどうくさそうにコメントしているとか。

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