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【BE KOBE】茅葺きモニュメントが北区にお目見え!

きょう4月16日、北区の「道の駅フルーツ・フラワーパーク大沢(おおぞう)」で、神戸市内で4か所目となるBE KOBEモニュメントがお披露目されました!

神戸の北区に広がる里山地域をあらわす茅葺き屋根の茅(かや)を主に使っていて、これまでの3つとは少し趣を異にしています。

すでにおなじみになっている(……と、市としては思いたい)BE KOBEですが、「それって何なん?」「モニュメントにKOBEだけじゃなく“BE”がつくのはなんで?」とお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

そのあたりを、新モニュメントとともに広報戦略部ライターのゴウが改めて紹介しますね。

BE KOBEって何なん?

「BE KOBE」という言葉が生まれたのは、2015年。

阪神・淡路大震災から20年となる年に、震災の教訓や知恵を集めて発信する「震災20年神戸からのメッセージ発信」プロジェクトをおこないました。震災を体験した人、していない人へのインタビューやアンケートを集めたところ、気づいたのは「神戸の魅力はいっぱいあるけど、一番の魅力は人なんだ!」ということ。

それを表したシビックプライド・メッセージが「神戸であれ」という意味の「BE KOBE」なんです。〔*シビック(civic)=市民、プライド(pride)=誇り〕

2017年、神戸港の開港150年を機におこなったメリケンパークのリニューアルで、BE KOBEモニュメントを設置しました。

私は正直、モニュメント設置のニュースを聞いたときは「こんなん設置して、本当に人が来るのかなぁ?」と疑問を抱きました。街の名前のモニュメントはすでに世界的に流行していたし、なんだか二番煎じな気がしたからです。

メリケンパークのBE KOBEモニュメント

ところが! 結果はみなさんご存じのとおり。たくさんの人が訪れて記念撮影&SNSにアップしてくれました。

メリケンパークも以前よりグンと賑わうようになりましたし、BE KOBEという言葉やメッセージが、たくさんの人に知られるようになったことも、うれしい効果です。

2019年にはポートアイランドのしおさい公園に2つ目を、

私はひそかに「裏BE KOBE」と呼んでいます

2020年には神出山田自転車道の再整備に合わせて、北区のつくはら湖の大橋休憩所に、3つ目のモニュメントを設置しました。

愛用の自転車と一緒に撮影できる「溝」がポイントです

新モニュメント素材は、茅(かや)

神戸ってどうしても海や港のイメージが強いので、個人的には、3番目のモニュメントが山側にできたこと、カントリーなイメージで木製なことが素敵だなと感じていました。

すると先日、4つ目のBE KOBEができるという知らせが飛び込んできました。

新しいモニュメントはなんと、茅葺き屋根の「茅(かや)」で作られています!なぜ、茅葺きなんでしょう?

里山が広がる神戸の北区・西区には、茅葺き民家がたくさん残っています。その数は700棟ともいわれ、神戸は全国でも有数の「茅葺きのまち」なんです。

株式会社くさかんむり提供

でも車で里山エリアを走っても、茅葺き民家をそんなに見かけないんですけど……?

それもそのはず。茅葺きは維持・管理がとても大変なので、約9割の茅葺きは、上から金属や瓦で覆われています。だから気づかないんですね。でも本当はその下に、茅が隠れていることが多いんですって。

たしかにこういう屋根の民家、よく見ます!(株式会社くさかんむり提供)

こうした「神戸の茅葺き」をみなさんに知ってほしいとの思いから、モニュメントを茅製にしたのだそう。

そしてモニュメントには、たくさんのアイデアと工夫が散りばめられています。

BE KOBEの「O」だけは茅がむき出しになっており、他の文字は茅が金属で囲まれています。これは、約9割の棟の茅が金属で覆われていることを表しています。

茅そのものも、「O」は新しいものを、他の文字には実際に民家で使われていた茅を用いています。経年による変化も感じられるデザインなんですね。

そして手前には、昔のカメラを模した撮影台も。備え付けのフックにスマートフォンを引っかけると、茅でできた丸い穴からBE KOBEが見えるようになっています。めっちゃSNS映えしそうですね!!

シルバーのフックにスマホを引っかけると…
こんなふうに映ります。斬新!

関西2位!道の駅フルーツ・フラワーパーク大沢

4つ目のモニュメントが設置されたのは、北区の「道の駅フルーツ・フラワーパーク大沢」です。

1993年にオープンしたフルーツ・フラワーパーク。開園直後はよかったものの、震災もあり、長らく寂しい雰囲気が否めない場所でした。そこで2017年、地域の協力も得て大型の「道の駅」としてリニューアル。

農業のさかんな大沢町を中心とした神戸の農産物直売所や、地元食材をつかったレストランを設置し、たくさんの人が訪れる人気施設に。2021年9月の『日経トレンディ』の道の駅ランキングでは、関西2位に選ばれるまでになりました。

記念式典で久元喜造市長は「このフルーツ・フラワーパークは、私が副市長として神戸に来たときは閑古鳥が鳴いていました」と、にぎわう施設になったことを感謝し、「BE KOBEには、一人一人の描く神戸の姿は違っていても、それらをつなぎ合わせてより良い神戸を作っていこう、という思いが込められています」とあいさつしました。

来賓の中でもリニューアル後に初めて来た方は、その賑わいに驚いていたようでした。実は……私もその一人です。

取材後、地域食材をつかったレストランでお昼ご飯を食べたのですが、座れる席を探すのが一苦労! 直売所のレジでもけっこう並びました。

左上:ぼっかけビビンバ、左下:にぎわう直売所、右:いちごソフトクリーム

子どもが存分に楽しめる遊園地や、犬を連れて楽しめるドッグランがあったり、フルーツ狩りができたり。また、道の駅なので駐車料が無料なのも人気のポイントかもしれません。

そうした人気施設に、BE KOBEモニュメントが新たな魅力の一つとして加わってくれるよう願っています。

今からしばらく、行楽には絶好の季節です。私のように「リニューアルしたと聞いていたけど、まだ行ってないんだよね」という方は、ぜひフルーツ・フラワーパーク大沢に足を運んでみてくださいね!

<この記事を書いた人>
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。
旅とバーとパンダが好き。

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