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新幹線を降りて登山ができる?新神戸駅が新たな玄関口に

神戸市は、今年から「神戸登山プロジェクト」を始めました。

私は、ふだん登山にまったく興味がないので「神戸登山プロジェクト」ってなんやねん、と率直に思ってしまったのですが…。そんな“山オンチ”が実際にハイキングコースを歩いて何を感じたのか、広報戦略部のハットリがお伝えします!


神戸登山プロジェクトとは

神戸って、山との距離がすごく近い街なんです。

例えば東京だと「高尾山」が有名な登山スポットですが、登山口に行くだけでも新宿から約1時間。それが神戸だと、なんと三宮から地下鉄で2分、新幹線のぞみが全て停車する「新神戸駅」のすぐ裏手が登山口になっています。

この立地の良さを生かさないわけにはいかない!
ということで、神戸市がいま売り出しているのが「神戸登山プロジェクト」です。

このプロジェクトは、新神戸駅に登山支援拠点を開設、登山道や案内板、休憩スポットを整備するなどして、登山初心者の方からベテランの方まで、神戸での山登りを楽しんでもらおうというものです。

そして、明日2023年7月22日(土曜)にいよいよ新神戸駅に登山支援拠点「トレイルステーション神戸」(通称:トレコ)がオープンします。

トレイルステーション神戸

このトレコでは
・登山ルートや装備のアドバイスなど、山の総合案内
・登山用品のレンタル
・荷物預かりサービス
・ガイドツアー
などのサービスをおこないます。

これは助かりますね!とくに、何から始めたらいいのか、何に気をつければいいのか分からない初心者には、強い味方になってくれそうです。

初心者コース、実際に行ってみた

さて、冒頭でもお伝えしましたが、私は登山なんて経験したことがなく、そもそもどんな格好で登ればよいのかも知りません。きっと同じような方も多いんじゃないでしょうか。

そんな登山初心者の方で、まずは気軽に自然を感じたい方におすすめなのが、布引の滝です!

すぐ裏に山が迫る新神戸駅

新神戸駅からすぐ、名勝「布引の滝」を目指す

ということで、新神戸駅にやってきました。

改札を抜けると、乗り換え案内に「布引の滝」の案内を発見。
さも駅の関連施設のような感じで紹介されています(笑)

乗り換え案内に「布引の滝」

のぞみが全列車停車する新幹線の駅で、徒歩で滝を見ることができるのは全国でも新神戸駅だけで、鉄道好きの私からすると、まさに奇跡的な立地と言えます。

早速、布引の滝を目指していきます。案内が至る所にあるので迷うこともありません。
歩いて数分で下のような景色が広がります。さっきまで新幹線の駅にいたのが嘘のようです。

新神戸駅から徒歩3分の景色

まず雌滝(めんたき)に到着しました。滝は、よく雄と雌で例えられます。一般的に、雌滝が優美でしなやかで、雄滝が豪快で迫力があるものが多いです。

しかし、布引の滝の雌滝はとても迫力があり、まるで最近の女性の強さを表しているようです。

布引の滝(雌滝)

さらにそのまま進み、雄滝(おんたき)を目指します。実際に歩いてみるとわかるのですが、布引の滝を目指す道中に様々な石碑が置いてあります。

これは平安時代の歌人たちが布引の滝を訪れたときに詠んだ歌碑です。写真の歌人は紀貫之で、『古今和歌集』や『土佐日記』を書いた超有名人。現代で言うとYoasobiやMr.childrenのような有名アーティストが残した歌詞集のようなものです。

このような歌碑が至るところにあるので、これを見ながら昔の時代に思いを馳せるというのも、布引ハイキングの楽しみの1つです。

そもそも、平安時代から観光名所になっていたというのが凄いですよね。こういう歴史のロマンを感じさせてくれるところも私は好きです。

至るところに歌碑があります

そして、いよいよメインの雄滝(おんたき)に到着です。
ここまでで、新神戸駅を出発してから約15分です。めちゃくちゃ近くないですか?

布引の滝は、那智の滝(和歌山県)、華厳の滝(栃木県)とともに日本三大神滝の1つに数えられています。

この日は前日に降った雨の影響で水量も多く、抜群のコンディションでした。布引の滝を見るときは、雨の降った翌日、翌々日くらいがベストかもしれません。

雄滝の名前の通り、迫力があります

布引貯水池、布引ハーブ園へ

この時点でかなり満足ですが、せっかくなのでさらに先まで行ってみましょう。布引貯水池、そして布引ハーブ園を目指していきます。

道中には三宮中心部を見渡すことができる見晴し台、つい先ほどまで新神戸駅にいたことを忘れさせてくれるような自然溢れる景色が広がります。

まるで山奥にいるような感覚

このような景色を見ていると、都会の近くでこんなに自然を感じられる神戸って最高やん・・・としみじみしてしまいました。

神戸には「BE KOBE」という言葉があります。この「BE KOBE」には色々な解釈があるのですが、神戸に住んでいることの誇り、神戸人としての誇りみたいな意味合いがあると私は思っています。

私は神戸生まれではありませんが、就職を機に神戸に住み始めて4年が経ちました。神戸という街の魅力に気づき「神戸に住んで良かった。神戸という街が好きだ」と心から思いました。これが「BE KOBE」なのだと思います。

この登山プロジェクトを機に、山の上に「BE KOBE」モニュメントを作ったらいいんじゃないでしょうか。摩耶山でも六甲山でも、布引ハーブ園の頂上でも!

布引貯水池

歩みを進めると、ようやく布引貯水池に辿り着きます。

布引貯水池は1900年(明治33年)に完成した日本最古の重力式コンクリートダムで、国の重要文化財にも指定されています。とても緑が美しいです。

でも、既にこの時点でヘトヘト。普段あまり運動しない方には、結構良い運動になると思います。

さらに歩みを進めると分かれ道が
右に進むと「神戸布引ハーブ園」

さらに歩みを進めると「神戸布引ハーブ園」の文字が出てきます。ここまで、新神戸駅から約1時間半です。

この案内に沿って進むと、布引ハーブ園の入口に辿り着きます。
この布引ハーブ園、とにかく景色が良くて、ハーブに興味がなくても十分楽しめる施設です。

「布引ハーブ園」入口。入場料は帰りのロープウェイ代に含まれるのでご安心を

布引ハーブ園に入ると、ハンモックで神戸の街並みを見下ろしながら休憩できるスペースや、料理で利用される様々な種類のハーブが栽培されているスペースがあります。それらを横目に登り続けると、ようやく頂上に辿り着きました。

ビールと景色が映えます

頂上まで登り終えると、帰りは新神戸駅までロープウェイで降りることができます。このロープウェイからの景色がまた素晴らしいんです。左を見ると山と街と海が並ぶ、これぞ神戸という景色が楽しめます。右を見ると、先ほど訪れた布引貯水池を見て振り返ることができ、正面には神戸一の繁華街三宮の街並みも見えます。

(左側)山と街と海が隣り合う風景
(正面)三宮方面の景色

おわりに

私は神戸市民にもかかわらず、実は「布引の滝」を見たことがありませんでした。観光で来られる方にはもちろん、神戸市民の方にも改めて近くて遠い「布引の滝」の魅力に気づいていただけると嬉しいです。

神戸は都会で山を楽しめる街です。この神戸登山プロジェクトを機に、気軽に登山・ハイキングを楽しんでみませんか?

<この記事を書いた人>
服部 健一 /市長室広報戦略部
兵庫区役所、教育委員会事務局での勤務を経て、昨年4月に広報戦略部へ配属。現在、年間約1億4,000万ものアクセスがある神戸市ホームページをより良いものにしようと日々奮闘中。
前回出したサウナの記事で、庁内ではサウナの人と呼ばれることもしばしば。

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