見出し画像

神戸・垂水のソウルリバー、福田川のことを知っていますか?

三井アウトレットパーク マリンピア神戸がリニューアルオープンして2カ月あまり。

最寄りであるJR(山陽電車)垂水駅のすぐ東側に、大きな川が流れているのを知っていますか? 今日はその「福田川」のお話です。

広報戦略部ライターのゴウは西区民なので、垂水駅周辺はよく歩きます。もちろん駅の東に川が流れていることは知っていましたが、名前まで意識したことがありませんでした。

そうか、あの川は福田川っていうんだ。


上流より下流がきれいなレア河川

なぜ、今日のテーマが福田川なのか。

このnoteは「市長の動き」ですから、久元喜造市長が2月9日の「水辺・たるみ交流会 森と川も海の恋人!」という地域活動報告会に参加したから……と言ってしまえばそれまでなのですが、

主催した福田川クリーンクラブの活動内容を聞くと、身近にある川について見る目が変わるというか、とても新鮮かつ興味深く感じられることが多々あったんです。

福田川クリーンクラブの村上健一郎さんが教えてくれました

福田川クリーンクラブ(以下:FCC)はその名の通り、福田川をきれいにしている地域団体です。毎週日曜の午前中に河川敷の清掃活動をしています。

福田川は須磨区の名谷を源流として長さが約8キロあるので、上流から下流まで4つのエリアに分けて順番に回ると、各エリアとも月に1度は清掃できるというわけです。

清掃風景(FCC提供)

誰かが投げ捨てたゴミや、海から流れてきたゴミ。それらを一つずつ拾ってきれいにしてくれているんだ。

そう思って駅近くの福田川を見ると、ゴミが一つも落ちてないんです。

もしFCCのような、自主的に「川をきれいにしよう」という動きがなかったら、行政による管理は年に1~2回程度。

半年~1年も放っておいたら、きっと川の周りはゴミだらけ。自分の地域を流れる川がそれなりにきれいに保たれているのであれば、「誰か」がきれいにしてくれているんだろうな。

そう気づくと、頭が下がる思いでした。

そして福田川は源流に近い上流よりも、海に近い下流のほうが水がきれいなのだとか。ふつうは反対なので、とっても珍しい川なのです。

なぜかというと、垂水は「水が垂れる」との名の通り、古くから水が豊富な地域だから。「瑞が丘」「清水通」「泉が丘」という地名もあるように、下流域の至るところで水が湧き、川に流れ込んでいるのだそうです。

なるほど! トリビアを知った気分。

駅近で自然観察ができる!

「水辺・たるみ交流会」で報告された活動レポートによると、福田川の水質は、近隣の川に比べて良くないのだそうです。

COD値が高いほど、水が汚いことを表すようです

下流より上流のほうが水質が悪いのも驚きましたが、生田川や都賀川など東側の川よりも悪いなんて、すごく意外じゃありませんか? 大都会・大阪に近づけば近づくほど、水が汚くなっていくイメージでしたけど……。

その理由は、東側の川は六甲山系を水源とし、短い距離で水が街へ降りてくるから。

対して福田川は8キロとそこそこ長さがあり、水源の近くが団地になっているため、上流ほど水質が悪くなってしまうのだそう。

これを何とかしたい!とゴミ拾いだけじゃなく、水質や植生を調べたり、外来種の生き物の駆除をしたりして、流域の「生物多様性確保プロジェクト」を2014年から始めたFCC。

地域の子どもたちを対象に、生き物観察会をすることも。

FCC提供

そして、誰でも気軽に自然観察ができるように、河川敷にビオトープまで作っちゃいました!

今は冬なので生き物を確認することはできませんが、流れている水そのものは、里山やん!と思うほどきれい(下流だからきれい)。

会長の村上さんによると、5月ごろには生き物がいっぱいいるから見に来てくださいね!とのことです。

垂水駅から北へ7~8分、角にジーンズショップのある「川原橋」のたもとです。ここなら、気軽に立ち寄れますね。

水辺・たるみ交流会とは

さて久元市長も参加した「水辺・たるみ交流会」では、垂水や周辺で地域・自然環境まわりで活動している色々な団体が集まりました。

参加団体はFCCの他に

  • 兵庫県漁連

  • 神戸市漁協

  • 落合池里山再生ネットワーク

  • 塩屋まちづくり推進会

  • れいんぼう☆キッズ

  • 名谷SRほのぼの会

  • 星陵高校

  • 出合水路を育む会

の8団体です。

とくに漁協では、海の豊かさを守るために源流である森を豊かにする活動(間伐や植樹など)に取り組んでいる活動が報告され、各団体はぜひ自分の地域でも取り入れたいと参考にしていました。

そして「出合(であい)水路を育む会」は、西区玉津町の農業者を中心に設立された、明石川流域の水路清掃や地域活動をおこなう団体です。

明石川は、神戸市西区と明石市の境目を縫うように流れています。

ちょうどこの交流会の前に、明石市と神戸市が共同で開催した「生物多様性フォーラム」に参加していた久元市長。

参加した各団体の活動に敬意を送りながら「明石と神戸はお隣ですから、一緒にやれる分野もあるはずなので連携していきたい。そして子どもたちにも、こうした活動にもっと参加してほしい」と話しました。

各団体のみなさん、個別に活動するだけじゃなくて、つながり合うのがいいなー!と思いました。

終了後は本当の交流会。これが大事ですよね

福田川クリーンクラブの活動は、公式サイトFacebookで最新情報を確認できます。清掃活動はもちろん、子どもたちが参加しやすいイベントもあるのでチェックしてくださいね。

CSR活動に関心のある企業のボランティアも大歓迎だそうですよ。

【おまけ】水産会館の漁師メシだって…

今回の「水辺・たるみ交流会」はマリンピア神戸の目と鼻の先、神戸市立水産会館でおこなわれました。

漁協の入っている会館なので、2階には垂水漁港食堂が。私は初めて行ったのですが、めちゃくちゃ並んでいます! 開会前にランチを……と思い、22組・約40分も待ちました。

「最近グルメブログになってきてない?」なご指摘は、甘んじて受けます(笑)

海の幸を美味しくいただき、交流会でみなさんの活動報告を聞いて。

海や川、美しい緑、そこから得られる実り。何げない景色は「誰か」が守ってくれているんだなと改めて感じ、感謝の念が湧いてきました。

<この記事を書いた人>
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。
旅とバーとパンダが好き。

<関連記事>