見出し画像

断熱リフォームで、冬は暖かく夏は涼しい家に! 電気代の節約効果も

10月はあんなに暑かったのに、最近は秋を通り越して、冬を感じる季節になりました。

今、住まいの断熱化を担当している私は、たしか20年ほど前のことをふと思い出します。

小学生のときに自分の家で友だちを誘って、お泊り会をしたことがありました。そのときに、ある友だちが、

「この家、外より寒くない?」

と言ったのです。

私がかつて住んでいた家は、いまも両親が住んでいます。その断熱性能の弱さにぞっとする毎日です。 


怖いヒートショック!

私の実家は、ストーブやエアコンで部屋を暖めても、「ヒートショック」の恐れがある家なのです。

家の中の部屋間の温度差によって、血圧が急速に上下して、心筋梗塞や脳卒中という命にかかわる病気になることを「ヒートショック」と呼ばれています。

よくよく考えると、その家は廊下やトイレ、脱衣所など寒い場所がありました。家のなかを移動しているだけなのに、温度差があるということです。

断熱と健康の関係性とは?

ただ、ヒートショック以外の健康リスクもあります。

まず、断熱ができていないと窓ガラスが結露して、カビの発生確率が上がります。すると、ぜんそくやアトピー性皮膚炎のようなアレルギーの原因になると指摘されています。

さらに、暑すぎたり寒すぎたりすると睡眠障害になったり、夜寝てるときに何度もトイレに行きたくなる過活動膀胱になることもあります。

WHO(世界保健機関)が冬季においても室温を18℃以上に保つべきだと強く勧告しています。18℃未満になると健康リスクが高くなるからです。 

ただ、真冬でも18℃を維持するためにはどうすればいいのか。もちろん暖房をフルパワーで稼働させる!ではありません。

廊下やトイレなど普通の部屋以外も暖かくするには、一体どうすれば良いのでしょうか。

断熱リフォーム工事とは?

そこでカギを握るのが、住まいの「断熱性能」です。室内から外に熱を逃がさず、家全体を暖かい状態にする、住宅全体を魔法瓶のようにして、熱を逃がさないようにする必要があります。

じつは住宅を新築するときだけでなく、既にある住宅でも断熱性能を高めるられます。

その方法が「断熱リフォーム(断熱リノベ)」で、高断熱窓への取り換え、内窓の設置、さらに天井や床、壁に断熱材を追加するやり方です。

こうやって断熱性能が高まると、冬は家全体が暖かくなります。逆に夏は冷房効果が高まります。つまり、電気代をかなり節約できます。

ここで気になるのは、費用!

仮に、一番手軽な内窓設置なら1カ所で10-15万円程度なので、平均的な住宅だと100万円ほどで効果が出るといわれています。

ですが、地球温暖化対策や省エネにつながることから、国による補助制度があります。工事の内容に合わせて、さまざまな補助プランが準備されています。

さらに国の補助だけでなく、神戸市では断熱工事をすると翌年度の固定資産税を最大で1/3減免しています。住宅床面積120平方メートル相当分までが対象なので、例えば年間15万円の固定資産税を払っていると、1年だけですが5万円が安くなります。もちろん手続きは必要です。

断熱イベントに両親が参加

私は今年で27歳になり、両親は60歳を超えました。父母ともに健康に気を付けないといけない年齢です。

ですが、子どもから親の住んでいる家のリフォームを強要することはできません。ちょうど7月に垂水駅前にあるレバンテホールで、断熱をテーマとした公開討論会がありました。

そこで、私の親にも来てもらいました。家の寒さには、だいぶ前から悩んでいたので、断熱の重要性と寒さによる健康リスクを聞いて、さらに青ざめた顔で家に帰っていきました。

ここまでくれば、もう一押し。

暑い夏が終わり、寒い冬が近づいてきています。読者の皆さんが、断熱リフォームを少し考えてほしいと思い、思いのたけをお伝えました。光熱費を抑えた健康で快適な生活を送ってみるのはいかがでしょうか? 

〈この記事を書いた人〉
がいと /建築住宅局政策課
今年4月から神戸市の職員になり、省エネ住宅の担当をすることになった。神戸で省エネ住宅が1軒でも増えればと、仕事にいそしんでいる。
趣味が漫才で、M-1グランプリへの出場歴もあるつわもの。最近は「断熱」をテーマにした漫才をつくれないか考えているとか。

<関連記事>