自慢のわが家は団地リノベ物件 神戸・名谷でモデルルーム公開中
いま住宅価格が高騰しています。昨年度の東京23区の新築マンションの平均価格は、なんと約9900万円。5年前から3000万円ほど高くなりました(株式会社不動産経済研究所調べ)。はたして、誰が買えるのでしょうか?
では、神戸ならどうでしょう?
大手不動産サイトLIFULL HOME'Sによると、神戸の新築マンションの販売価格は、3400万円から4300万円程度、一番多い価格帯は大体3900万円です。
… これでは、買おうと思っても、心はくじかれます。
そんななかで、家族のためにマイホームを手に入れたいという方に、かつてニュータウンにつくられた「団地」の部屋をリノベーションする、新しい住宅のあり方を紹介したいと思いました。
マンションなどの部屋の改修はリフォームといわれます。ですが、比較的大規模に改修工事をして、付加価値を高めて住宅性能を向上させる工事は、「リノベーション」と呼ばれています。
中古マンションでなく団地を選ぶ訳
団地というのはこちらです。
1950年代半ばから日本住宅公団(業務の一部は現在のURが継続)によって建設された分譲型の集合住宅です。鉄筋(または鉄筋鉄骨)コンクリート造の5階建て、エレベーターがないのがよくあるタイプです。建物にはいくつかの階段があり、階段室の左右に1軒ずつ住宅があります。
1970年代までは、「家」というと、木造平屋がほとんどで、よくて木造モルタル2階建て。そんななかで、先進的なキッチンやバスルームといった設備がある団地は、人々の憧れの的でした。
それから50年近くを経た今、古くなった団地の部屋を購入して、リノベーションをするのが、注目を浴びているのです。
お買い得物件の宝庫、名谷!
このnoteで紹介してきた、かつての須磨ニュータウンの中心であった名谷(みょうだに)エリアは、1970年代に開発されたので、大量の団地が建設されました。
そして今、地下鉄・名谷駅周辺では再開発が進んでいます。再びこの街に、新しい息吹が送り込まれようとしています。
名谷駅から2.5kmほど北に離れた白川台という地区では、例えば、1972年築の4DK(65㎡)の部屋が、なんと280万円(2023年6月現在)というお手頃な値段で購入できます。
大手の不動産サイトを「名谷 団地 分譲」で検索すると、ほかにもたくさんの物件がザクザクとでてきます。
大胆リフォームでこだわりの家に
そんな部屋を購入して改修するのを提案します。でも単に、キッチンやお風呂を新しくして、壁紙を貼り直すだけでは、もったいないと私は思います。
というのは、新築マンションだと、建設業者が施工した間取りを、購入後いきなり変える人はいません。
ところが、中古住宅なら、間仕切りの場所を変更したり、全面フローリングにしたりと、大胆に部屋の構造を一新しますよね。コンクリートの壁など動かせない箇所はありますが、家族の状況に合わせて、自分好みの家にできるのです。
モデルハウス- 百聞は一見に如かず
でも、図面とにらめっこするだけでは、どんな部屋になるのかのイメージはできないですね。
そんなときのために、なんと団地のリノベーションに特化したモデルハウスが公開されています。
実物を、見て、触って、感じてほしいという思いから、神戸市の外郭団体である一般財団法人神戸住環境整備公社が整備したものです。
このモデルハウスは、夫婦と子供1人という3人家族を想定。元々のキッチンの位置を変更して、在宅ワークができるスペースをつくりました。玄関横にクローゼットをつくるなど間取りも変更しています。
今年すでに2回、このモデルハウスを設計・施工した事業者に、来場者が直接話を聞ける日がありました。すると、多くの人が訪れて、真剣に質問をしていました。
それで、お金はいくらかかるの?
このモデルハウスには、キッチンやお風呂を全面改修したとき、間仕切りを動かしたときの工事費用が、写真や図面でパネル展示されています。各自の予算に合わせて、どこを改修するのかを決めればよいのです。
仮に、約50㎡の部屋をキッチン、お風呂、トイレを入れ替えて、全面的に改修すると、デザインや材料にも左右されるのですが、約500万円が相場といわれています。こうなると、部屋の購入費用を含めても新築よりかなりお得です。
さらに、中学生以下の子どもがいる世帯、あるいは、若い夫婦のみの世帯(年齢合計80歳以下)であれば、最大45万円がもらえる神戸市の【子育て応援住宅取得制度】の対象になることも。
しかも、このモデルハウスは、神戸市の外郭団体が運営しているので、押しつけ型の営業がありません。ゆっくりと安心して見られるのもポイントです。
新築の戸建てやマンションにはちょっと手が届かないけど、自分なりの家を持ちたいという人は、中古マンションのリフォームを検討しがちです。
でも、よく考えてみると、団地のリノベというのが、これからの新しい選択肢の一つになるのではと、ご紹介しました!
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