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ウイスキーってハードル高い? それを下げるイベントを神戸で発見

4月21日。例年よりちょっと早めの「神戸まつり」、雨が降り続く中でしたが、なんとか最後まで開催できました。参加された方、お疲れさまでした!

実は神戸まつりと時を同じくして、三宮で開催されていた一大イベントがあるんです。それは……

WHISKY HARBOUR KOBE(ウイスキーハーバー神戸)

ひとことで言えば、おいしいウイスキーがたくさん飲めるイベントです。会場となったKIITOには、ウイスキーの生産者(蒸溜所)やメーカーが全国から集まりました。

イベント自体は意外と新しく、今年が2回目の開催となります。ウイスキーを飲めるバーがたくさんある神戸で、なぜあえてイベントを立ち上げたのか、仕掛け人にも聞いてきました。

お酒は弱いけれどバーの雰囲気が好きな、広報戦略部ライターのゴウがお伝えします。

琥珀色の飲み物に魅せられた人たち

会場の入口ですでに、ウイスキー独特のスモーキーで芳醇な香りが。これだけでお水3杯飲めそう(笑)!

思っていたよりも、若い人が多いなという印象です。外国の方もわりと見かけます。

別フロアでは、生産者からウイスキーについて学ぶセミナーも。思ったより真剣な雰囲気でした!もちろん、楽しみはテイスティングなんですけどね。

また、ウイスキー初心者のために「ストレートで飲むの、ちょっと怖いかも」「イベントをどう回ったらいいの?」などの質問に答えるコンシェルジュコーナーも。これはありがたい!

神戸や明石など地元からはもちろん、遠方から泊まりの参加者が多かったのが印象的でした。

岡山から来たこちらのお二人は金・土曜と2泊して、神戸での夕食や高級和朝食(3000円くらいするそう!)を堪能したそうですよ。

カクテル柄のシャツがお似合いのこの方は、お友達と東京から。昨夜は「粉もんを食べて飲み歩いた」とのこと。関西を満喫しまくりですね!

何気なく声をかけた2人組が、バー経営者&バーテンダーだったのは驚きました。お店にいっぱいウイスキーあるじゃないですか。なんでわざわざ?

「最近は国内に新しい蒸溜所がどんどん生まれています。そういうところも出展しているので、それらを一度に試せるこういうイベントは勉強になるんです」

いろんな方が、いろんな視点から参加しているのですね。

このイベントを主催するのは酒類業界の有志でつくる実行委員会ですが、神戸市が推進するナイトタイムエコノミーの趣旨に合うので、神戸市も応援することに。

乾杯のあいさつに立った久元市長も、いつもよりフランクです。

「ウイスキーを飲んでいるときは豊かな気分になりますね」

昨夜はプライベートで、ふらっと初めてのバーに入ってみたそうですよ。バーテンダーにおいしいウイスキーをおすすめしてもらえたのだとか。

ちょっとピントずれてますが、あまりにいい笑顔なので!

実行委員長の宮森さんとハイボールで乾杯

なぜ神戸でウイスキーイベントを?

当イベントを主催する実行委員会メンバーの多くは、神戸のバーテンダーたちです。しかもみなさん、自分のお店を持つオーナーバーテンダー。

店の経営で忙しいにもかかわらず、なぜ新たにウイスキーイベントを立ち上げたのでしょうか。発起人で実行委員長の宮森和哉さんに聞いてみました。

宮森さんは店を持つ前の修業時代、全国の他の地域で開催されるバーやウイスキーのイベントの手伝いに何度も行っていたそうです。

こうした場のメリットは同業者と情報交換できることですが、イベントの前後に土地のおいしいものを食べたり飲んだり、軽く観光したりすることにも、自身が大きな楽しみを見いだしていることに気づきました。

「神戸も、外から来た人にこんなふうに楽しんでもらえるといいな」と、神戸でのウイスキーイベント開催を思い立ったそうです。

2019年に実行委員会を設立し、2020年開催に向けて準備を進めていましたが、コロナで中止に。2022年のプレイベントを経て、2023年に晴れて初回を迎えることができました。

参加者の声を聞くと、宮森さんのねらいはバッチリ達成されていますよね!

「3000円の朝食を楽しんだ」と聞いて私、「うわー!神戸にお金落としてくれたのねありがとうーーー!!!」と心の中で飛び上がりましたもん(笑)。

ウイスキーはハードル高い?

とはいえ、読者のみなさんの中には「ビールやワインは食事と一緒に飲むけど、ウイスキーはほとんど飲まないなぁ…」という方、意外に多いのではないでしょうか? 

ウイスキーってアルコール度数も高いし、よほど酒通か人生のベテランじゃないと似合わない……みたいな、変なハードルがありません?

このイメージ、過去の私自身が抱いていたものでした。

でもイベント来場者にも若い人が多かったように、一度親しんでみると、ウイスキーだって数あるお酒の種類の一つだとわかります(当たり前ですけど笑)。

実は宮森さんも、お酒には強くないんですって。もっとカジュアルなバーを開くつもりが、修業で入った店でウイスキーの魅力に目覚め、お酒に強くなくてもゆっくり飲めばウイスキーは楽しめることを体感したのだとか。

ウイスキーの入り口で取っつきやすいものといえば、ソーダで割った「ハイボール」ですよね。

わが家のハイボール

たとえば、家飲みのとき。
お手軽なのは缶ハイボールですが、ウイスキーとソーダを別に買って、体調や気分に合わせて好きな濃さで飲んでみると、単に「飲む」から「嗜む」にランクアップした感じがしませんか?

宮森さんに、家飲みでのおすすめを聞いてみたところ「予算が許すなら、熟成年数の長いお酒を試してみては」とのことでした。

「熟成年数が長いほうがまろやかな味わいになっているので、ウイスキーに慣れていない人には飲みやすいと思います」

なるほど、たしかに! 

一方でバーファンとしては、ウイスキーに少し慣れたらぜひ、バーで飲んでいただきたいです。

バーでの至福の一杯

いろんな素材をミックスするカクテルと違って、ウイスキーは「提供されるものは同じ」だから、家で飲むほうが安く済みます。それなのに街のバーがつぶれないのは……?

「バーという空間で飲む」ことの良さがあるからじゃないかな、と私は思っています。

控えめな照明、美しい調度品などの非日常な空間で、ときどきバーテンダーと言葉を交わす。憧れていた大人の世界の中に、自分がいる喜び……。

そんなお店をどう探せばいいの?という方は、今回のウイスキーハーバー実行委員会メンバー(バーテンダー)のお店から始めてみてください。

「ウイスキーハーバーの記事を見て来ました」と言えば、きっと喜んでくれると思いますよ。

▼実行委員会メンバーのお店

実はウイスキーの世界では「世界の5大ウイスキー」という地域別の区分けがあって、その5つとは①スコットランド、②アイルランド、③アメリカ、④カナダ、⑤日本、なのだそうです。

日本でウイスキー作りが始まったのは1923年。まだ100年という歴史の浅さにもかかわらず世界でも評価されるのは、日本のものづくり精神ならではだなぁと感じます。

その礎を築いた大手メーカーに加え、この10年ほどで個性豊かなウイスキーを作る地方の小さな蒸溜所が増えました。

寿司やアニメのように、ウイスキーはこれから日本が世界に誇れる「強いコンテンツ」になっていくのではないでしょうか。

〈この記事を書いた人〉
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。旅とバーとパンダが好き。

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