見出し画像

神戸駅の誕生から150年!駅前はこれからどんなふうに変わる?

1874(明治7)年5月11日。
新橋~横浜間に次ぐ国内で2番目の路線として、神戸~大阪間の鉄道が開業した日です。

開業時の神戸駅

その日から、今日でちょうど150年!
神戸駅で開かれた記念式典・関連イベントの様子を、今後の駅前広場の整備予定とともに、広報戦略部のゴウがお伝えしますね。

記念列車で祝う鉄道開業150周年

記念式典には、神戸~大阪間にある神戸市、芦屋市、西宮市、尼崎市の各市長と大阪市北区長がずらりと勢ぞろい。鉄道が「まちとまちをつなぐ」存在であることを、改めて感じます。

来賓を代表して神戸市の久元喜造市長があいさつしました。

「鉄道の開業により、陸路と海路がつながり、大阪と神戸がつながりました。阪神間をはじめとして関西、日本全体の発展にも大きな意義を持つできごとです」

久元市長の右から順に、髙島芦屋市長、石井西宮市長、松本尼崎市長

ところで、今回の記念事業の名前は「神戸~大阪 鉄道150周年プロジェクト」。大阪より神戸が先に表示されるなんて、都市規模を考えると珍しいと思いませんか?

私たちが神戸市役所だから言ってるんじゃなくて、JRの事業名がこうなんです。

思い切って、JR西日本の國弘兵庫支社長に聞いてみると……

「実は130周年、140周年のときは『大阪~神戸間』でした。ただ歴史をひも解けば、開港した神戸港に世界からいろんなものがやってきて大阪・京都へと広がっていった。その事実を踏まえ、神戸を先に持ってきました。これを社内に通すのには苦労しました(笑)」

なんと! 神戸市としては涙が出るほどうれしいです。兵庫支社のみなさん、ありがとうございます!!

式典の後はホームに移動して、150周年のヘッドマーク&車内装飾の記念列車が大阪駅へ向けて出発するのを見送りました。

記念列車は、5月20日(月)まで神戸駅~大阪駅間を中心に走行します。

レンガ駅舎をプロジェクションマッピング!

お祝いは夜も続きますよ~。

神戸駅といえば、レトロなレンガ造りの駅舎。1930年に3代目駅舎として建てられ、2030年には100周年を迎えます。そのレンガ駅舎を、プロジェクションマッピングで彩ります!

イメージ図(提供:JR西日本)

日時は、きょう5月11日(土)と12日(日)の2日間
20時~21時30分の間、約15分間隔で上映します。1回の上映時間は、約5分です。

神戸方面におでかけの方は、都合があえばぜひ立ち寄ってみてくださいね!

【11日23時 追記】
プロジェクションマッピング、帰りに見てきました!神戸や鉄道がたどった歴史がストーリーに込められていて胸熱でした。

D51広場、2日限定で芝生化

神戸市は2030年に向け、神戸駅前広場の再整備を進めています。そこで今回の150周年式典に合わせて、駅周辺でもさまざまな催し・取り組みをしました!

まず、線路の海側にある蒸気機関車、D51(通称:デゴイチ)の周りを芝生化

せっかく貴重なデゴイチがあるのに、この周辺、なんかポツンとして寂しい感じがありますよね。デゴイチの魅力をもっと生かすために、2022年秋からは夜間のライトアップをしています。

そして今回は、この周辺をもっと広場らしくしてみたらどうだろう?という社会実験です。

人工芝を敷いて、イベントをしたり、キッチンカーが出店したり。うん、いい感じ! この芝生広場は12日(日)の9~15時にも開催しますよ(芝生化のみで、イベントやキッチンカーはありません)。

お子さんが駅員さんの制服を着て写真を撮るコーナーも

2つ目が、駅舎とHDCビルの間の通路の緑化です。

私個人の印象をぶっちゃけると、この通路、道というより「建物と建物によって結果的にできた抜け道」という感覚でした。

でも、ベンチや植栽を置くだけでこんなに変わるんですね!

ちょっと休憩してお茶を飲んだり

こちらも社会実験としての実施なので、あす12日まで。「ずっと続けたらいいのに」「暑いからパラソルか屋根がほしい」などと、利用した方からすでにいろんな意見をいただいているそうです。

黒いテーブルは熱くなると意見があり、たしかに!

3つ目が、デュオ神戸の駅の山側のドーム「サンポルタ広場」での、思い出の神戸駅 写真パネル展です(あのドーム広場、サンポルタ広場って名前なんや…)。

SNSで集まった懐かしい写真がたくさん。こちらは、9月末まで展示しています。

こうしたパネルが7枚あります

あの「貴賓室」がスタバに

そして、ちょっと話題のアレです。

日本の鉄道の歴史で重要な役割を担ってきた神戸駅の駅舎には、珍しい「貴賓室」がありました。皇室の方々が休憩するための部屋ですね。

貴賓室として利用されたのは、昭和天皇ご夫妻と、皇太子時代の上皇陛下による計3回だけ! 新幹線が開通して神戸の玄関口が新神戸駅になったことで、最後の利用は1968(昭和43)年だったそうです。

その後、駅長室となり、飲食店にも利用されていましたが、飲食店の撤退により、2023年2月にいったん閉鎖。

あの貴賓室どうなるの……? 壊されちゃったら嫌だな……。

私はそう心配していましたが、スターバックスコーヒーの店舗として活用されることになり、きのう5月10日にオープンしました!

幸運にも旧貴賓室に席が取れたら、プラカップではなくマグカップ(グラス)で注文して、ゆったりとした気分で過ごしたいものですね。

駅前改修の今後のスケジュール

では、駅前広場の整備はこれからどんなふうに進むのでしょうか? おもなスケジュールはこちらです。

2024年秋ごろ:地下タワー式駐輪場 準備工事着手
2026年春ごろ:地下タワー式駐輪場 利用開始
2027年以降:ロータリー、大屋根のリニューアル
2030年:駅前広場の全面リニューアル完成(駅舎100周年!)

リニューアルイメージ図

駐輪場を地下にすることで、しっかり広場空間を確保できるようになるんですね。大屋根は、楠公さん(湊川神社)と調和するように木材を使う予定です。

▼神戸駅前の再整備について

今日の一連の行事の中でも、とくにデゴイチ広場の周りが予想以上のにぎわいでした。これを見て「場を整えることって、すごく大事なんだな」と実感しました。東遊園地もそうですよね。

これから、今の時代に合った駅前広場に生まれ変わっていく様子を、また定期的にお伝えしますね。

とにかく、今日は神戸~大阪鉄道150周年、おめでとう~!!


【おまけ:今回の取材で知ったトリビア】

■1982年まで、神戸駅の海側は貨物の「湊川駅」で、ハーバーランドはその跡地を再開発したものだったということ

■JR西宮駅は2007年までJR三ノ宮駅と同じように「西ノ宮」表記だったこと。さくら夙川駅の開業とともに変更が実施されたとのこと(石井市長コメントより)

いや~、地元の話題でも知らないことがいっぱいありますね!

〈この記事を書いた人〉
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。
旅とバーとパンダが好き。

〈関連記事〉