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30回目の光、神戸ルミナリエが開幕

この冬も、この輝きを見ることができました。
そう、第30回 神戸ルミナリエが開幕したのです。

鐘を鳴らしての点灯式

1995年12月、阪神・淡路大震災で犠牲になった方々への鎮魂からはじまった神戸ルミナリエ。今ではそれに、神戸の魅力を伝える意味合いも加わっています。

久元喜造市長は「震災から30年、コロナによる縮小もあったがルミナリエが絶えることなく開催されてきたのは、犠牲になられた方への鎮魂の思いと、震災の記憶の継承を共有し続けられているからではないか」と述べました。

さてご存じのように、コロナ明けの前回(2024年)からは会場が分散化され、新しい形に生まれ変わったルミナリエ。

▼前回の解説記事

ことしも基本的には前回と同じですが、変更点や新しい取り組みもあるので、チェックしてくださいね! 広報戦略部ライターのゴウがお伝えします。


[基本を復習]会場ってどこなん?

ルミナリエ会場が分散化されたとは聞くけど、それってどこやったっけ……。そう思っている方、少なくないのではないでしょうか。

ルミナリエらしいキラキラ!を目指すなら、メリケンパーク、東遊園地、旧居留地の3会場。コロナ前のような柵の仕切りや順路はないので、自由に回遊しながら観覧できます。

濃い赤がルミナリエ作品、薄い赤がライトアップ

ハーバーランド、北野の異人館広場、南京町にも、ルミナリエ作品がちょっぴり(北野&南京町はことし初)。

異人館の前にたたずむロソーネツリー

有料ゾーンって結局どこ?

会場の分散化と同時にコロナ前からの大きな変化は、有料ゾーンができたこと。それってどこやったっけ?という方のために……

有料ゾーンは、メリケンパークの一部です! ビジュアルで言えばこれ!「フロントーネ・ガレリア」に入ろうと思ったら有料、というわけです。

チケットの買い方は、前売りと当日があります。1時間ごとに日時を選んで買う仕組みになっていて、前売りで上限に達すると当日券の販売はありません。

昨年は、土日分は売り切れてしまうこともあったので、お早めに!前売り券は前日までの販売です。

チケット購入ページ

平日と土日で金額が違うので、可能な方は平日を狙ったほうがいいかも。

東遊園地と旧居留地など、他の場所は無料なのでご安心ください。

会場に流れる音楽にも注目

「去年は四角い感じだったけど、ことしは丸いね。フクロウみたい~」なんてビジュアルが注目されるルミナリエですが、会場で流れている音楽を気にしたことはありますか?

まるで讃美歌のような音色が会場を包んでいることを、なんとなく覚えている方も多いはず。

実はあれ、ルミナリエのために作曲されたオリジナル楽曲なんですって。作曲者は上田益(うえだ・すすむ)さん。1999年から20年以上、ずっと担当してくださっています。

といっても、同じ曲を長年流しているわけはなくて、音楽は毎年変わっているそう。なんと、これまでルミナリエのために作曲した数は約130曲にもなるのだとか!!

もちろん今回も、ことしのために作った新曲が流れます。毎年ちょっとずつ変化するビジュアルを楽しむように、音楽にも耳を傾けてみてくださいね。

30年だからこそ…

ことしが阪神・淡路大震災から30年の節目とあって、ルミナリエ会場周辺では関連の企画も行われています。

■神戸ルミナリエ企画展@大丸神戸店

大丸神戸店の1階では、これまでのルミナリエの思い出写真と、訪れた人たちから募集した心温まるエピソードを展示。

百貨店外側の東側ショーウィンドウ(カフェのあるほう)では、BE KOBEのモザイクアート。

近づいて見ると……モザイクの1枚1枚が歴代のルミナリエなんです!

■朝日新聞報道展「大震災の記憶」@神戸朝日ビル

ルミナリエ作品も置かれる神戸朝日ビルのピロティでは、当時の写真や新聞を紹介する報道展を開催。

みなさんが見入っている縦型ディスプレイは、スマートフォンに見立てたもの。「もし当時にスマホがあったら」という想定で、地震発生当時から時系列でニュースが縦に流れています。

画面左上のQRコードを読み取ると、自分のスマホにもニュース形式で表示されるので、阪神・淡路大震災を「今の感覚で」追体験することができます。

30年とは、10歳の子どもが40歳に、40歳だった人が70歳になる年月です。

いま小さなお子さんがいらっしゃる方なら、ご自身が小さいときの出来事で記憶がおぼろげかもしれません。「自分が語れることなんてない」と感じているかもしれません。

それでも、ルミナリエやこうした企画のタイミングで、折にふれて「お父さんやお母さんが子どものとき、こんなことがあってね」とお子さんに教えてあげてほしいな、と思います。

仕事帰りに「1人ルミ」もあり

鎮魂の意味合いを理解しつつも、冬のイルミネーションイベントであるルミナリエは、デートの定番でもありました。

それもあって「ルミナリエに1人で行くのは、ちょっと恥ずかしい」みたいな意識ありませんでした? 実際、長時間並ばなければいけませんでしたしね。

でも昨年から分散されて、自由に回遊できるようになったことで「仕事の帰りにちょっと1エリアだけ、通りがかりに見てみる」、そんな気楽な楽しみ方をしやすくなったと言えるかもしれませんね。

<この記事を書いた人>
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。
旅とバーとパンダが好き。

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