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欧州・オーストリアのスタートアップが神戸に! カーシェアで新事業も

2022年12月8日、遠く離れた欧州のオーストリアから6社のスタートアップの創業者たちが神戸にやって来ました。

神戸市内の企業や金融機関などが集まって交流イベントが開かれたので、突撃レポートすることにしました!

スタートアップってどんな会社

スタートアップとは、革新的なアイデアとテクノロジーを使って、新しいビジネスを作り出し、驚異的なスピードで成長していく起業家たちです。彼ら彼女たちが増えると、便利なサービスが増えるだけでなく、若者が挑戦しようとするので、元気で活力のある街になるといわれています。そこで神戸市は、2016年からスタートアップの活動を後押ししています。

オーストリアから来たワケ

北米や欧州だけでなく全世界の国や街では、こぞってスタートアップを育てようとしています。
そんななかで、オーストリアでスタートアップの支援をする同国大使館にある商務部ADVANTAGE AUSTRIAという機関から、神戸市と一緒にイベントをやりたいと話があり、とんとん拍子で実現したわけです。

これってすごくないですか? はるか9000キロメートル離れた国で、神戸市がスタートアップの支援に力を入れていることが知られていたのですから。
こっちに来てもらえば、神戸の街の雰囲気をナマで感じてもらえるし、参加した市内の企業も海外市場の動向がわかるので、とってもありがたいお話なのです!

交通モビリティの新しいサービス

参加企業は6社。モビリティ(交通)分野で新しいビジネスをはじめています。どんな事業をしているのかを発表を聞いてみました。

1社目は、ロードバイクの事故防止に取り組むFlasher。ロードバイクや自転車は、右左折したり止まるときに周囲の自動車の運転手に伝えるには、手で合図する決まりです。すると、ハンドルから手を離すことになり、事故につながる危険性がある…!という点に着目しました。
ぼんやりと光るLEDライトを腕に装着し、わずかのジェスチャーだけで、周りの車に運転者の意思を伝える製品を開発しました。最近神戸でも良く見かけるロードバイクですが、自転車先進国とも呼ばれるヨーロッパならではの発想ですね。

2社目は、カーシェアリングの常識を覆すUbiq。日本では借りた場所に返すのはふつうですが、ヨーロッパは乗り捨てが主流なのです。すると、鉄道の主要の駅などに車がどんどん集まってしまいます。
そこで、天気や周辺のイベント情報、過去の渋滞情報などからいつ、どこに、どれくらいの車が必要になる。あるいは、どこで乗り捨てられるのかを予測します。このデータをもとに車を移動させたり、逆に車に乗り捨てが多い場所から車を借りる人には料金を割り引きます。こちらのアイデアも、欧州ならではの課題をうまくついた画期的な発想ですよね。

起業家っていったいどんな人?

スタートアップ、起業家と聞いてみなさんはどんなイメージを持たれますか? 天才肌? 野心的? 近寄りがたい…?
いやいや、そんなことはありません。とっても優しくて、かわいらしい、そしてひと懐っこい人ばかり。

参加者のなかにお誕生日の方がいるということで、いきなり大きなケーキが登場! お祝い会がはじまりました。

そのあとは、オーストリアのワインやお料理が振舞われ、神戸からの参加者と和気あいあいです。
でも、とあるテーブルでは、さっき発表していた新しい技術への質問が飛び交っています。誰もワインに口もつけずに真剣なまなざしです。こうした熱量を持っているのが、スタートアップのイベントなのです。

海外の起業家だけがすごいのか?

いやいや、そんなことはありません。神戸からまさに暮らしを変えるスタートアップたちがでてきています。救急医療の専門医が他の病院にいる患者への治療を助言できる仕組みや、魚の大きさまで分るので小さな魚の捕りすぎを防げる海魚群探知機などなど… 私たちの生活のすぐそばで使われているアイデアもスタートアップの技術だったりします。

ちょうど今、神戸市内の各ご家庭に配られている広報紙KOBE(2023年1月号)では、特集記事として彼ら彼女らが大きく紹介されています。日本いや神戸の起業家たちにも、いちど注目してみてはいかがでしょうか!

<この記事を書いた人>
Pechiino/企画調整局医療・新産業本部新産業部新産業課
2019年からスタートアップ支援を担当。同僚職員の半分が民間企業から転職組という市役所では異色な部署で、刺激を受けながら充実した毎日を送っている。神戸三宮阪急ビルにつくられたビジネス拠点「ANCHOR KOBE」の整備を担当してから、建築物の天井を眺める癖がついたという。サッカー観戦が趣味で、今は絶賛W杯ロス中。ヴィッセル神戸を応援している。

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