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姉妹都市って意味があるの? バルセロナからの現地報告

今回はスペインのバルセロナからお伝えしています!

バルセロナ市は神戸市の「姉妹都市」の一つです。じつはこの二つの街は、とってもよく似ています!

まず、サッカーのイニエスタ選手が在籍していたチーム、FCバルセロナ、ヴィッセル神戸の本拠があるのが共通していますね。

神戸とバルセロナをくらべてみた

今回は街の形にフォーカスしてみました。同じ縮尺で、神戸とバルセロナの地図を並べてみました。右から青、白、緑というのが、一緒です。

神戸の人口は150万人ですが、バルセロナは166万人。

市街地のまわりを山が囲んでいるのは同じですが、バルセロナのほうが平地の部分がだいぶ広いです。

山に囲まれた港町

山でいえば、標高931メートルの六甲山最高峰が、三宮から直線距離で10キロにあるのが神戸の特徴です。

バルセロナだと、旧市街から40キロほど北西に標高1236メートルの「モンセラット」という山がそびえています。モンは山、セラットはのこぎりという意味なので、直訳すると「のこぎり山」です。

切り立った岩石がむき出しのモンセラット

山中にはベネディクト会の聖マリア修道院があり、信仰の場となっています。

もっと狭い範囲をくらべてみた

私がバルセロナを訪れるのは4回目。なので、この街にはけっこう詳しいです。

まず、街の中心部にある「旧市街」の歴史ある街並みが美しいです。そして、建築家アントニ・ガウディの作品が、街なかにポツポツと点在する。そんな特徴を持っています。

下の地図は神戸とバルセロナの中心部を、同じ縮尺で並べたものです。

歩いてみるとわかるのですが、このあたりの距離感が、あまりにそっくりなのです!

バルセロナも港湾都市。で、港と旧市街地の間に「コロンブスの塔」(高さ60メートル)というランドマークがあります(入場料を払えば登れます)。

ここから北東に、東西1.5キロ、南北1.5キロの大きさの「旧市街」があります。ちょうど神戸の旧居留地くらいの大きさです。

旧市街の中央をつらぬいているメインストリート、目抜き通りが「ランブラス通り」です。コロンブスの塔の近くは横幅が15メートルほどですが、どんどん広くなり、最後には30メートルほどになります。車は側道のようなところを走るので、人が散策するための道ですね。

道の真ん中にアイスクリーム屋さん、お花屋さん、カフェなどが居並んでいるので、昼夜をとわず人が多いです。

メインの通りから脇道に入ると、長蛇の列の人気レストランがあったりするので、旧市街地は歩いていて楽しめます。

この通りを歩いて20分ほどで「カタルーニャ広場」に到着。ここが旧市街のはしっこになります。

ここは、幹線道路に接していて、鉄道駅が地下にあり、観光用のバス・空港に行くバスの大きな停留所があり、観光案内所もある交通の結節点です。

ただ、サクラダファミリアは、この近くにはありません。北東に2.5キロ離れていて、地下鉄だと3駅です。

ところが、ここまで結構な人が歩いています。途中にガウディ遺産である「カサ・ミラ」と「カサ・バトリョ」という住宅として造られた建築物があります。いつも大勢の人で賑わっています。

ガウディ建築の「カサ・ミラ」

あれっ?!これって地理的に神戸に近くないですか?

港のランドマーク「ポートタワー」からメリケンパークを抜けて、旧居留地、三宮センター街を経て、三宮駅までは30分ほど。

三宮駅は交通結節点で、観光案内所があるので、カタルーニャ広場と同じです。

三宮からさらに北東の新神戸まで行こうとすると、北野坂を上がって、北野の異人館街を散策する人も多いと思います。

そうなると、神戸のサクラダファミリアは「布引の滝」か「布引ハーブ園」に当たりますね(笑)

ただ、神戸との大きな違いが一つあります。それは旧市街の東側に「モンジュイックの丘」と呼ばれる小高い山があるのです。標高が185メートルあるので、歩いて登るとだいぶ汗をかきます。

神戸で例えるなら、JR神戸駅あたりにハイキングができる丘がある感じです!

港町というのは、どこも同じように感じられます。でも、解像度を上げて見比べたとき、バルセロナは神戸とスゴく共通点があると感じました。

姉妹都市って意味あるの?

そんなバルセロナは神戸の姉妹都市…

姉妹都市というのは、文化交流や親善を進めるために結びついた都市と都市のことをいいます。

姉妹都市になってから10年目、25年目という節目の年には、それぞれの市長が訪れたりする交流事業が行われます。

が、国内のどこの都市でも、この交流事業をやる意味があるのかと、住民や議会から、疑問の声があがりがちです。

たしかに、姉妹都市になるときは、お互いに親近感を持っていたと思います。でも、10年、20年と時間がたてば、心の距離が離れていくのでは、と私も思っています。

今年、バルセロナと姉妹都市になってから30年です。昨日から神戸市から職員らを派遣して、いろいろな事業を行います。

そこで、神戸市公式noteらしく、バルセロナを訪問中の職員たちに同行して、現地でなにが行われているのかを、詳しくレポートすることにしました。

ただ、今日の記事はここまで。バルセロナを神戸の人が、身近に感じてもらえればと思い、まずこの街の紹介をしました。

明日以降も現地から記事をお届けししたいと思います!

<この記事を書いた人>
多名部 重則/広報戦略部長兼広報官、Forbes JAPAN Official Columnist
米国シリコンバレーの投資ファンド「500 Startups」との起業家育成を軸にしたイノベーション施策を2015年に立ち上げた。2020年から映像クリエイター・デザイナー・ライターなどを副業人材を登用して市の広報業務の変革に挑んでいる。博士(情報学)。
じつは、妻も公務員で西区にある桜が丘中学校の教頭先生をしている。公開前のnoteの記事を読むよう言われて、いやいやコメントしているとか。

多名部 重則 Forbes JAPAN 執筆記事

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