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水中のロボットやドローン!神戸市の進める「海洋産業」とは?

「神戸市は海洋産業に力を入れているんです!」

と聞いたら、どう思いますか?
わたくし広報戦略部のゴウは「え、今さら?」と首をかしげました。

だって、神戸は港町。
最盛期ほどではないとはいえ、今も世界の重要な貿易港です。
造船もさかんで、有人潜水調査船「しんかい」シリーズも神戸で造られました。

だから、冒頭の言葉には今さら感があるのですが……。

実はこの「海洋産業」とは、神戸の代名詞である港湾・貿易・造船などとは別の、新しい事業分野を指すのです。

従来の「海洋産業」のイメージ

海洋産業って何?

ここでいう海洋産業とは、既存の港湾や造船というよりも、神戸の海をフィールドに、新しい技術で課題解決を図るビジネスのことです。

みなさんのご存じのように、神戸市は1998年から医療産業都市構想を進めてきました。その結果として理化学研究所やスーパーコンピュータ、大学などたくさんの研究機関や企業がポートアイランドに集まっています。

医療産業都市はある程度成熟したので市の「医療産業の次」の政策として、神戸と切っても切り離せない「海」をテーマに据えたというわけなんですね。

海で活躍するテクノロジー

では具体的に、海洋産業にはどんなものがあるのでしょうか?

10月5~7日にポートアイランドで開催された展示会「テクノオーシャン2023」でいろいろ見られると聞いて、行ってきました!


①まずは、水中ロボットROV
カメラや3Dスキャナを搭載していて、海の中の生物調査や、海中に沈めた構造物の調査をおこないます。

潜水士が事故にあうリスクが減らせますし、人が潜れない深さもOKなのが心強いロボットです。


②そしてこちらは、水空合体ドローン

上で紹介したような水中ロボットは、沈めたい場所まで船で運ぶ必要がありますが、これは船を出さなくても自分で飛んでいきます。

目的の場所に着水し、そこから水中にカメラを下ろすのだそう。
なるほど~。久元喜造市長も興味津々です。


③さらにこちらは、赤潮を事前に予測できるセンサーなんですって。
赤潮を引き起こす有害プランクトンの有無を判別するとのこと。事前に予測できれば、養殖場などの被害を最小限に抑える対策ができます。

すごい!いろんな技術が海の中で生かされているんですね。

神戸の「海の困りごと」を解決

そして神戸市では2021年から「海プロジェクト」をおこなっています。どんなプロジェクトかというと

① 神戸の海に関わる課題(困りごと)を募集
② 解決策を提案・実証できる事業者を募集
③ ②の事業者が、神戸の海で実証実験するのを補助→ビジネス化をめざす

という流れです。
要するに「神戸の海を使って、いろいろ試してみてね!」とうことですね。

今年度は5件の事業が採択されましたが、こちらはそのうちの1件。
フジツボなどがこの藍色LED水中灯の光を嫌うので、海中の構造物などに付きにくくなる(→構造物の劣化を防ぐ)と考えられています。

レンズを通すと紫色に見えますが、実物はもう少し青に近い色です

目には見えなくても、海の中でイノベーションがたくさん生まれそうですね!

若者向けのイベントや講座も

また、若い世代に海洋産業に興味を持ってもらうための取り組みもしています。

造船、釣具開発、水産流通・加工、エンジニアなど、19の企業・団体の協力で全63回のプログラムをおこなう海の仕事体験「こどもわーくin神戸2023」や、


水中ドローンの操作体験会、


大学生や社会人向けには、スコットランドでのサマープログラムまで!(2018年に締結した、スコットランド・アバディーン市の連携に基づいています)

自分の学生時代を振り返ると、神戸での就職を望んでいたにもかかわらず、神戸と縁の深い「海に関する産業」を候補に入れることはありませんでした。

それは、単純に「知らなかったから」ですよね。

こうした取り組みで神戸の海洋産業を知ってくれる人が1人でも増えればいいなと思いましたし、私も今回初めて知ったので、このnoteがその一助になればうれしいです。

【神戸の海洋産業について】

〈この記事を書いた人〉
ゴウ/広報戦略部 クリエイティブディレクター
神戸市在住のフリーライター。ソーシャル経済メディアNewsPicksや、京阪神エルマガジン社のメディアで活動。神戸市の施策を書いた記事が「わかりやすい」とnoteプロジェクトに召喚され、週1日だけ市役所の「中の人」に。役所ならではの用語や作法に「それ何?」とつっこみながら、どうやって役所のお堅い印象を和らげるか、日々頭をひねっている。
旅とバーとパンダが好き。

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