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標高750mの絶景シェアオフィス体験記 集中とリラックスの緩急くっきり

いつものパソコンでメールチェックなのに、窓越しに木々が揺れているのを感じる。ふと目線を上げると、かなたに見えるのは、神戸の街と海。

ふぅ、あと少し頑張ったらコーヒーでも淹れよう。

こんな素敵な仕事場にあこがれていました。

なんと、そんな場所があるのです!

最高峰が931メートルの六甲山、その標高750メートルのところにあるシェアオフィス「ROKKONOMAD(ロコノマド)」を紹介します。

なんで山の上にシェアオフィス?

六甲山のアクセスの良さと恵まれた自然。ここに創造性を刺激するビジネス空間をつくろうというのが、神戸市が進めている「六甲山上スマートシティ」という考え方です。その一環として「ROKKOMOMAD」は、2021年に開設されました。

山の中にいると、いつもより集中できたり、新しいアイデアが浮かんだりするので、仕事がはかどるかも。それが三宮から1時間ほどで行けるのなら、とても便利という考え方で、このオフィスは誕生しました。

でも、それってホンマなん?

という、誰もが抱く疑問を解決しようと、私自身で体験してきました。

どうやって行くん?

JR六甲道駅で、六甲山の麓にあるに神戸大学に登校する学生と一緒にバスに乗って、六甲ケーブル下駅にたどり着きます。

そのあとは、ガタゴト走るケーブルカーに揺られながら、風がだんだんと冷たく感じてくると、六甲山上駅に到着です。

そこから、木々が茂る小道を歩いて15分。石の看板が見えると、今日の職場はもうすぐ。

かつては企業の保養所だった建物が、宿泊もできるシェアオフィスに生まれ変わりました。利用するには会員登録が必要ですが、お試し利用もできます。

オフィスの環境は?集中できるん?

館内はリビングスペースとワーキングスペースに分かれています。でも、なんといってもまず目に入るのは、この眺望です!

高まる気持ちを抑えながら、さっそくパソコンをセット。

山上は、三宮と較べるとほっておいても気温は10度ほど下がります。ですが、ここは空調も完備。窓越しに木々の揺らめきを感じると、なぜか集中でき、気持ちがノッてくるのがわかります。

今まで後回しにしていた、大量の文書を読んで資料を作成するという嫌だった仕事が、短時間で処理できたのに驚きました。

うん、これは、何かが違います。

集中が途切れたので、コーヒーを淹れようと、リビングスペースに移動。そこにはコーヒー豆とグラインダーが。カリコリ回しながらコーヒー豆を挽き、フィルターにお湯を注ぐと甘く香ばしい匂いが。

頭がすっきりして、なんだかクリエイティブな考えが浮かんできそうです!

どんな人が利用してるん?

この日、利用している方に話を聞きました!

歩いて登ってきたというお二人。同じ職場の同僚で、ROKKONOMADは会社が法人会員登録をされているそう。このあと11時から個室でウェブ会議があるとのこと。社員研修や会議でよく使っているようです。

「会社でやる会議とは明らかに違う。これは参加したみんなが感じることで、ここを利用したら意見交換が活発になり、会社ではできないコミュニケーションが取れる」

と、話していました。

へーっと思いながら、ROKKONOMADの魅力を聞いてみると、

「スタッフ!」と即答がありました。

「ここのスタッフはみんな温かく、いつ来ても居心地がいい」

とのこと。

会員のなかにはITやデザインの仕事をしている人、弁護士や医師もいるようです。普段は麓の事務所や病院で働き、論文執筆など集中して作業がしたいときに、ここに来る人が多いらしいです。

旅先で仕事をする「ワーケーション」とは違っています。仕事場のひとつとして日常のなかで利用している人が多いのに驚きました。

笑顔が素敵なマネージャーのヤンセン尚子さん

お昼ご飯はどうするん?

さて、おまちかねのランチタイムです!お弁当を持ってきてもいいのですが、前日までに予約をするとランチが準備されます。

この日は、色とりどりの副菜が付いた「カレー」でした。

野菜がたくさんです!しかもこの野菜、ぜーんぶ、地元の神戸産なのです!室内でも食べられますが、せっかくなのでテラスへ移動。

絶景を見渡しながら食べる、涼しい風が吹き抜ける山上のランチは、仕事に来ていることを忘れそうでした。

会員のなかには、テラスでガスバーナーを使って山ご飯をつくる人もいるそうです。

お話を聞かせてくださったお二人。ここのランチが大好きだとか

せっかくの山、お散歩がしたい!

ここから少し歩くと、神戸ゴルフ倶楽部沿いの道路があり、たしか「六甲高山植物園」や「ROKKO森の音ミュージアム」は徒歩20分ほどだったはず。

かなり後ろ髪をひかれたのですが、今日はまだ仕事があるので断念。代わりにヤンセンさんおすすめの「ブナの道」まで歩くことにしました。

歴史的建築物の「ヴォーリズ六甲山荘」の前を通り、「ブナの道」へ。木漏れ日刺す緑の道は、とても気持ちがよかったです。

たった30分のお散歩ですが、最高のリフレッシュになりました。

午後の仕事を終えると、下山の時間です。帰りは下り坂。タッタッタとテンポよく歩けば、10分ほどで六甲山上駅へ。ケーブルカーは20分に1本の間隔で発車しているので、思いのほか快適です。

名残惜しい気持ちのまま、観光気分でケーブルカーを楽しみ、バスに揺られると、あっという間にJR六甲道駅でした。

六甲山上って、どうやった?

いつもの職場での仕事とくらべると、集中とリラックスのメリハリを感じました。集中時はより深く、休憩時間は日々のストレスが吹き飛ぶくらいリフレッシュできます。

利用する前は緊張するかなと思ったのですが、スタッフの方やほかの利用者がとても気さくなので、居心地よく過ごせました。

アート作品や書籍がたくさんあり、なんだか自分もクリエイティブな人の仲間入りをしたような気分です。

ちょっと遠いかなと思っていましたが、自宅から1時間ちょっと。乗り換えもスムーズだったので「遠い」と感じなかったです。

山上のシェアオフィスは「めっちゃアリ!」です。こっそり、また行ける機会を狙っています。

<この記事を書いた人>
高見さやか/行財政局税制企画課
酒と山をこよなく愛する1児の母。ところが、育休中に夫の転勤で「山」のないアメリカのネブラスカ州で1年半を過ごした。帰国してから週末は六甲山で山登りして、下山後は日本酒を楽しむ神戸人的な幸せをかみしめているとか。
今年3月にスイーツと日本酒の記事を執筆。広報戦略部以外の職員で2本目の記事を書いたのは彼女が初です!

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