六甲ミーツ・アート、今年は大幅パワーアップ!
毎年、夏の終わりから秋にかけて六甲山上で開催している「六甲ミーツ・アート芸術散歩」。2010年から始まって、これまでに13回を数えます。
もちろん、今年もやります!
会期は8月26日(土)~11月23日(木祝)です。
どうやら今年は、大きくパワーアップして生まれ変わるのだとか。その合同記者会見が大阪・梅田で開催されたので、広報戦略部ライターのゴウが行ってきました。
神戸市の担当者によると、梅田での記者会見は初めてではないかとのこと。気合いが入っていますね。
まず、六甲ミーツ・アートとは?
六甲山上に観光客を呼び込むことを目的に、山上の各レジャー施設を運営する六甲山観光株式会社と阪神電車が、2010年に始めた芸術祭です。
自然がいっぱい&眺めのいい六甲山上に、地元や若手アーティストのユニークな現代アート作品がいくつも配置されます。行ったことのある方も、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
遊休施設の活用や光ファイバーの敷設など、六甲山上のリニューアルに力を入れる神戸市は、2019年から市長賞の創設、2020年からは資金助成をする形で芸術祭に関わっています。
また、会期終了後に市が作品を買い取り、常設展示しているものもあります。
何がどう生まれ変わるの?
そんな六甲ミーツ・アート、生まれ変わるといっても、何が変わるんでしょう? というか、なぜ生まれ変わらせる必要があるの?
大きな理由の一つはやはり、2025年の大阪・関西万博です。それに向けた神戸空港発着便の増便や、将来の国際化も見すえ、「六甲ミーツ・アートを、関西を代表する芸術祭に発展させよう!」というわけです。
具体的には、こんな新しい取り組みをします。
①世界的なアーティスト招待を拡充
六甲ミーツ・アートらしい、地元の若手アーティストが多く参加するローカルな良さは残したままに、世界で活躍するアーティストも招待します。その一人、現代美術家の椿 昇(つばき・のぼる)さんが記者会見に参加。
「日本には地方芸術祭が多く、こんなに多い国は他になかなかない。つまりそれは、森と暮らす日本人に必要なものだと思う。だから六甲ミーツ・アートの持つ深い哲学が、来てくれる方に少しでも伝わればいいなと思って作品をつくります」と話しました。
②芸術祭の拠点づくり、一部作品の展示延長
会場の一つ、六甲森の音ミュージアム(旧オルゴールミュージアム)を芸術祭の拠点とし、作品の一部は会期終了後も展示。「ここが六甲ミーツ・アートの場所」と認知されることで、芸術祭がもっと地域に根づきそうですね。
③会場をつなぐトレイル沿いへのアート展示
これまでの六甲ミーツ・アートは、作品を展示する各会場が、車やバスの通る道路の比較的近くにありました。今回はそれに加え、会場と会場を結ぶトレイル(歩くための道)にも作品を展示。
そもそも、イベント名が「六甲ミーツ・アート芸術散歩」なのです。ハイキング・散策をしながらアートを鑑賞できるのが、六甲山上で開催するからこその魅力ですよね。
④子どもたちがアートに触れる試み
今まではどちらかというと鑑賞メインでしたが、今年は子どもたちがアートに触れられるワークショップなどを開催します。作品を見て選ぶ「キュレーション」など、本格的な体験もあるそうですよ!
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会見で久元喜造市長は「バブル崩壊後は、企業の保養所も閉鎖されて六甲山上がさみしくなっていたが、それが少しずつ良くなる契機となったのが、六甲ミーツ・アートです」と、芸術祭の意義を強調しました。
現代アートってよくわからない?
恥ずかしながら実は、私はこれまで、六甲ミーツ・アートに行ったことがありません。その理由は、現代アートに今ひとつ馴染みがなかったからです。見てもよくわからないというか……。
市の担当者Sさんにその話をすると「私も同じで、担当するまでは現代アートに興味がなく、よくわからないものだと思っていました」とのこと。でも、作者に作品の意図や背景に込められた思いを聞くと、とてもおもしろく感じられて現代アートが好きになったそうです。
もちろん、常に作品のそばにアーティストがいるわけではありませんが、作品のメンテナンスで現地を訪れることも結構あるそうですよ。
たとえアーティストに会えなくても、パッと見てすぐにわかるものではないからこそ、その意図を探ったり自分なりの解釈をしたりするのが、現代アートの醍醐味なのかもしれませんね。
今回の新しい取り組みの中で、とくに私に刺さったのは「各会場をつなぐトレイル」です。数年ぶりに山歩きを再開したいので、今年こそ六甲ミーツ・アートに「デビュー」してみようと思います。
会期は8月26日(土)~11月23日(木祝)まで。
鑑賞パスポートは、6月24日から販売を開始します。
くわしくは、公式サイトをご覧くださいね。
バナー写真:六甲ミーツ・アート芸術散歩2022 二ノ宮久里那≪Transience≫
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