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求む!撮影モデル 神戸の街で家族写真を -ファミリーフォトプロジェクト-

写真:浅田政志

神戸市では新たに「神戸のファミリーフォトプロジェクト」を始めることになりました!

ファミリーフォトプロジェクト、略して「ファミフォト」はどんなプロジェクトなのか、広報戦略部で映像制作を担当する、クリエイティブディレクターの佐々木がお伝えします。

「家族写真」はどこに?

あるプロジェクトのPR映像について、クライマックスの演出を考えていた時、神戸で暮らす家族の写真をフラッシュバックさせるイメージがシーンとして頭に浮かびました。
 
これは試してみなければ!と思いつつ、神戸市は広報に使用できる「家族写真」をどれくらい保有しているんだろう?

そのあたりの事情に詳しそうな同僚に訊いてみると、

「人物が写っている写真について、神戸市では特にアーカイブしていません。夜景などの美しい風景写真はたくさんPHOTO PORTにありますが……」

と回答が。

そうか、人物写真はストックしていないのか……。

メリケンパークの美しい夜景(PHOTO PORT素材)

そこで私は考えました。

一般のストックフォトサービスの写真を使うのもいいけれど、神戸市の広報に使うのだから、市民のみなさんに「家族写真」を撮らせてもらい、市の写真素材としてアーカイブしてはどうだろうと。

突然ですが……

とはいっても、写真を撮らせてもらえるのだろうか?
まずは実証実験的に、プロのフォトグラファーと出張撮影で感触を確かめてみることになりました。

そこで、「こべっこあそびひろば」という子育てをサポートする施設へ遊びに来た親子連れに声をかけ、その場で撮影交渉をします。市の広報用に使用することを条件にモデルになってくださいとお願いしてみると、8組中6組の家族が快く引き受けてくれました!これは手応えありです。

「神戸のファミリーフォトプロジェクト」撮影風景

撮影した写真のデータはその場で(エアドロップなどで)プレゼントしました。早速、ご自身のSNSで公開してくださったお父さんも。

この日をきっかけに私は「家族写真(ファミリーフォト)」を通じて市民と行政が一緒になって取り組める新しい企画を考えるようになりました。

そして、ここから思わぬ展開が……

「浅田家」の浅田政志さんが!

映画「浅田家」のモデルにもなった写真家の浅田政志さんに、特別講師としてプロジェクトにご協力いただけることになりました!

浅田さんは、とくに家族写真を得意としています。

プロジェクトの企画趣旨をお伝えすると、浅田さんから、「モデルとなる家族への事前取材から撮影本番まで『家族写真』の決定的な一枚を撮影する極意を、包み隠さずお見せします」との提案が。

それはもうぜひ!という流れになりました。

家族が幸せを感じる瞬間は?

そして今回、浅田さんが撮影する家族として快諾してくださったのが、神戸在住で茅葺き職人として多方面で活躍されている相良育弥(さがらいくや)さん&ご家族。

道の駅フルーツ・フラワーパーク大沢(おおぞう)に設置されているBE KOBE 茅葺きモニュメントは、相良さんが代表を務めている会社が作られた作品です。

撮影前に行われた相良家への取材で、浅田さんは質問をしました。

浅田さん「相良家にとって、幸せだなと思う瞬間は?」
育弥さん「何もしないでみんなでゴロゴロしている時かな」
浅田さん「ゴロゴロですね……」

すると、妻の未佳(みか)さんが、

未佳さん「みんなで太鼓を叩いてセッションしている時が楽しい!」
浅田さん「……それを撮りましょう!」

相良家 太鼓たたき隊

撮影の舞台となったのは北区淡河(おうご)町にある北僧尾(きたそうお)農村歌舞伎舞台。相良家の太鼓やお花、茅で作られたスツールなどを持ち込み、浅田さんの指示のもとセットアップ。

地元の区長さん(右)、副区長さん(左)にもご出演をいただいて撮影された一枚がこちら。

写真:浅田政志

撮影後半は、相良家に移動してスナップショットの撮影に。

写真:浅田政志
写真:浅田政志

蓋を開けたアップライトピアノの椅子に並んで座った相良夫妻の前に三脚を立てた後、浅田さんは長男のカンちゃん(4歳)に「写真撮ってみる?」と声をかけました。

最初はおそるおそるだったカンちゃんが、おとうさんとおかあさんに呼びかけながらシャッターを切った会心の一枚がこちら。

写真:浅田政志(シャッター担当:カンちゃん)

子どもへの愛情溢れる、とってもいい笑顔!

撮影した写真は後日プリントされ、浅田さんから相良家にプレゼントされました。

相良家が最もお気に入りの一枚を額装
浅田さんオリジナルデザインの台紙!

家族写真で、神戸市の広報にご協力を

スマホひとつで、いつでも・どこでも・誰でも写真が撮れる時代です。

でも、「せっかく撮るんだから」という気持ちを大事にして、近所にお出かけしたり、おそろいの衣装を着たり……。家族写真を撮ることを理由にみんなで久しぶりに集まるだけでもファミリーにとって特別なイベントになります。

その「家族写真」を、もしよければ神戸市の広報にも「おすそわけ」してもらえませんか?

今年は、神戸市で行われるイベントにファミフォトの撮影ブースが出没します!見かけたら神戸で活動しているプロのフォトグラファーに「ファミリー」を撮ってもらえるチャンスですよ!

どのイベントに出没するかは、神戸市の公式Twitterでもお知らせしますね。

そして今年の夏休みは、子どもたちが神戸で暮らすファミリーを撮影するワークショップを開催します。作品づくりを通じて、神戸の歴史やまちの魅力を再発見してもらえたらと考えています。お楽しみに!

※ワークショップに、浅田さんが参加する予定はありません。

「神戸のファミリーフォトプロジェクト」詳細ページ

ちなみに、このプロジェクトでの「ファミリー」は、ゆるやかな定義でいいかなと。仕事のチームも、趣味で集まるお茶飲み友達も、ペットやロボットと暮らしている人も、みんな仲良く「ファミリー」でよろしくお願いします!

写真:浅田政志

ファミリーフォトプロジェクトでは、今後もいろいろなアイデアを取り入れながら「家族写真」がもたらす可能性をかたちにして、神戸の魅力を広報できたらと考えています。

<この記事を書いた人>
佐々木 啓仁 /広報戦略部クリエイティブディレクター
多摩美術大学美術学部卒。都内の制作会社でTV-CMなど映像関連の仕事に携わり2009年に独立。2022年より神戸市役所のクリエイティブディレクターとして、こどもっとKOBE(ティザーサイト)神戸登山プロジェクト(TV-CM)などの企画制作を担当。
登山プロジェクトでは、リアルに登ってみないと分からないとそそのかされ、新神戸から摩耶山頂の過酷ルートに挑戦した。ところがそれがトラウマとなり、最近は山登りを断固拒否している模様。

個人サイト(株式会社ネル・ラボ)

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