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阪神・淡路大震災の経験者 60-80歳代の職員OB、6名を能登に派遣

きょう、阪神・淡路大震災を経験した元神戸市職員6名が能登半島へ出発しました。メンバーは以下のとおりです(カッコ内は当時の仕事)。

鍵本 敦さん(長田消防署で救助活動)
古川厚夫さん(生活再建本部で被災者支援)
片瀬範雄さん(ポートライナーなどの復旧)
谷口貴成さん(橋梁の被害調査・復旧)
濱田有司さん(住宅復興計画の策定)
井垣昭人さん(仮設住宅の発注・建設)

全員が課長や係長など脂の乗り切ったときに、阪神・淡路大震災を経験し、そのあと神戸市の幹部として復興までを支えてきた人たちです。

被災地では刻々と状況が変化しています。これからは被災者が生活を再建し、住宅や公共施設などの復旧して、将来的に復興を遂げていく局面になることを考えると、それぞれの段階で、神戸が29年前に経験することで得た知識・ノウハウが活用することができます。

ところが、神戸市役所では、阪神・淡路大震災を職員として経験した現役職員は約3800人に減っています。全職員約13000人全体の29%となのです。

そこで神戸市は、すでに神戸市役所を退職している職員OBに着目し、元消防局長の鍵本さんに調整役をしてほしいと声を掛けました。

じつは土木や建築の仕事をしていた職員たちの一部で、大震災の経験を受け継いでいこうとする「神戸防災技術者の会(K-TEC)」が、20年ほど前につくられていたので、このグループにも協力を呼びかけました。

鍵本さんは、「現地支援は即決しました。断る理由がない」と話します。

鍵本 敦さん

神戸防災技術者の会の設立時からメンバーであった片瀬さんは、「神戸市が被災した時に助けてもらった。その御礼でもある。また、東日本大震災では岩手県大槌町でも活動した。それらの経験を生かしたい」と答えました。

インタビューに答える片瀬範雄さん

OB職員が被災地で何ができるのか?

2週間ほど前に神戸市公式noteで、第1陣として能登に派遣された職員の発言で、「神戸の経験は役に立たなかった」とお伝えしました。

同じ地震災害だとしても、地理的条件や自治体の規模、地域の状況により、必要となる支援の方法やタイミングが異なります。

なので、神戸の経験を押し付けるのではなく、それぞれの被災地や一人ひとりの被災者に寄り添った支援活動が必要という趣旨でした。

それでは、OB職員が能登に行って、どのような支援ができるのでしょうか?

実際に派遣される6人に、思い切って聞いてみました。

「たしかに同じ災害など存在しない。阪神・淡路大震災、熊本地震、東日本大震災など、全て違う災害である。ただ、違う災害だから役に立たないのではなく、被災した自治体として同じ目線の行政マンとして現地で奮闘している職員に寄り添える」

「現地で求められることは自分で考えて動ける能力だ。何をしたらいいですか?ではだめ。そんな経験を活かしたい」

「これから1か月、2か月後と刻々と変化していく。経験した我々は次に何が必要なのかがある程度予測ができる。現地に滞在する3日間で何ができるかというと難しい側面もあるが、現場を見てどのような支援ができるのかを調査をして、次につなげることが大切だ」

6人がいま短期的に役立つ支援ではなく、復興を見据えた視点を持っていると感じました。

キーワードは「息の長い支援」

朝9時から神戸市役所本庁舎の玄関で行われた出発式で、久元喜造市長は、こう話していました。

「60~80歳代ではあるが気力や精神力の点では現役の世代と変わらないと思う。彼らは極めて困難な状況からよみがえってきた神戸の経験を持っている。彼らが現地に行って先遣隊として調査し、次につなげることで息の長い支援を行っていきたい」

災害支援では、本当にいま困っている被災者にできるだけ早くサポートすることはもちろん重要です。

ですが、それだけでは十分ではないようです。復旧・復興という長期的な視点を持って、何が問題になっていくのかを賢くを予測した上で、次に何が求められているのかを考えることが大事だと感じました。

私も今回、学んだことをこれからの長い役所人生の中で最大限生かしていきたい。そう思うことができる取材だったと思います。

〈この記事を書いた人〉
大西 陽介/広報戦略部
広報戦略部3年目。職員として阪神・淡路大震災の経験がないが、伝承の重要性を考え、今回の執筆に手をあげた。
普段の業務では主に首都圏を対象とした情報発信を担当しているが、最近はうまく発信できていないと伸び悩んでおり、少し落ち込んでいるらしい。

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